SABU監督、2度目のベルリン映画祭コンペ出品へ!青柳翔も出演
第67回ベルリン国際映画祭
『弾丸ランナー』(1996)など堤真一主演3部作や『うさぎドロップ』(2011)などで知られるSABU監督の新作『Mr.Long/ミスター・ロン』(秋以降公開予定)が現地時間2月9日より開幕する第67回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されることが決定した。日本、ドイツ、香港、中国、台湾合作による本作はウォン・カーウァイ監督作品でおなじみの台湾人スター、チャン・チェン演じる台湾人の殺し屋を主人公にした物語で、昨年9月~10月にかけて栃木県足利市、東京、台湾高雄市などで撮影された。本映画祭のコンペでSABU監督の作品が出品されるのは松山ケンイチ主演の『天の茶助』(2014)以来2度目となる。
本作では、ナイフの使い手として知られる殺し屋ロンが東京でのミッションに失敗し、ヤクザの手から台湾の地方に逃れ、台湾人女性リリーとその息子と出会い新たな生活を築いていくさまが描かれる。主人公ロンにチャン・チェン、リリーに台湾の実力派女優イレブン・ヤオ、そして「劇団EXILE」の青柳翔がヤクザに奪われた恋人を取り戻そうとする青年・賢次にふんする。
本作のコンペ出品にあたり、SABU監督はスタッフ、キャストへの感謝の気持ちを述べつつ、「非常に厳しい撮影環境の中、優雅で力強くも繊細に孤高の殺し屋を演じるチャン・チェンの魅力に勇気をもらい、よく笑うチャーミングで素顔な笑顔と、撮影現場に居る者皆が痛みを感じる程の強烈な悲しみを表現するイレブン・ヤオの驚くべき演技力に魅了され、リリーへの一途な思いを純粋に抱えて立つ青柳翔の姿に切なくなり、心を動かされ、支えられ、そうやって最後まで走り抜けることが出来た」と今日の心境を表している。
SABU監督は本映画祭とゆかりが深く、これまでにも『弾丸ランナー』『疾走』(2005)がパノラマ部門で、『アンラッキー・モンキー』(1997)、『MONDAY マンデイ』(1999)、『幸福の鐘』(2002)、『ハードラックヒーロー』(2003)、『蟹工船』(2009)がフォーラム部門で上映されたほか、『天の茶助』がコンペティション部門に出品。今年は『氷の微笑』(1992)や『トータル・リコール』(1990)などのヴァーホーヴェン監督が審査委員長を務め、2月18日(現地時間)に金熊賞(最高賞)をはじめとする受賞結果が発表される。(編集部・石井百合子)