アラン・リックマンさんの死から1年…ユーモアあふれる最後の演技が公開
映画『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ先生役で知られる俳優アラン・リックマンさんの命日である本日14日より、アランさん出演作『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』が全国公開される。それに併せて本編映像が一部公開され、アランさんのユーモアにあふれる演技がお披露目された。
昨年1月14日にすい臓がんのため、69歳でこの世を去ったアランさん。『ダイ・ハード』で冷酷非道なテロリスト集団のリーダー・ハンス役や、『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ先生役などで多くのファンから親しまれ、イギリスを代表する名俳優だった。
そんなアランさんにとって、日本のスクリーンで最後の出演となった本作は、アメリカ・イギリスの合同軍事作戦で1人の少女を犠牲にしてテロリストを殺害するのか、ドローン操縦士の迷いや遠く離れた会議室での閣僚たちの議論を中心に描く軍事サスペンスだ。アランさんは本作で、罪なき少女を犠牲にしてまでもテロリストを攻撃すべきか、最終的な決断を迫られる会議室の国家緊急事態対策委員会メンバーの一員、フランク・ベンソン中将を演じている。
この度公開されたのは、そんなアランさんふんするベンソン中尉が劇中に初めて登場するシーン。ロンドンの常設統合司令部、アメリカのクリーチ空軍基地やホワイトハウス、攻撃の標的地となるケニアのナイロビなど各国をまたぐアメリカ・イギリス合同軍事作戦の中心地、いわば本部の役割を果たすロンドンの“コブラ・オフィス”(国家緊急事態対策委員会)に向かう途中のベンソン中尉は、会議が間近に控えているにもかかわらず、娘にお願いされた“アナベル人形”を買うためホビーショップに立ち寄る。
お店で人形の種類に戸惑ったり、その後間違った人形を購入したことに気が付くなど、そのわずかなやりとりでベンソン中尉の人柄を感じることができるのは、アランさんのユーモアに富んだ演技があってこそ。また、会議室のドアを開けたとたんに戦場をくぐり抜けてきた百戦錬磨の軍人の顔に切り替わるベンソン中尉の顔にも注目したい映像となっている。ドローンを用いた現在の戦争に疑問を投げかけるようなシリアスな題材の本作で、アランさんの最後の雄姿にも心打たれる一作となっている。(編集部・石神恵美子)
映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』は全国公開中