『エクソシスト』原作者ウィリアム・ピーター・ブラッティさん死去 89歳
ホラー映画の金字塔『エクソシスト』の原作者として知られる作家ウィリアム・ピーター・ブラッティさんが、現地時間12日にメリーランド州ベセスダで多発性骨髄腫のため亡くなったと The Hollywood Reporter などが報じた。妻のジュリーさんが発表したもので、89歳だった。
ブラッティさんは、1928年に米ニューヨークで生まれ、ジョージ・ワシントン大学などで学んだ。同サイトなどによると、この時期に彼は『エクソシスト』の原作の基になる“メリーランドの悪魔祓い事件”を知ることになる。その後ハリウッドに移り、脚本家としてブレイク・エドワーズ監督の『ピンクパンサー』シリーズ『暗闇でドッキリ』や『のぞき』といったコメディー、戦争映画『地上最大の脱出作戦』、アクション映画『銃口』など幅広いジャンルを手掛けた。
1971年に小説「エクソシスト」を出版。宣伝としてテレビ番組「ディック・カヴェット・ショウ」に出演したことなどをきっかけにニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストでナンバーワンとなったことで、米ワーナー・ブラザースのトップだったジョン・キャリーの目にとまり、映画化が進められた。
ウィリアム・フリードキン監督がメガホンを取り、リンダ・ブレア、エレン・バースティン、マックス・フォン・シドーらが出演した1973年製作の映画版は、第46回アカデミー賞において10部門でノミネートされ、脚色賞と音響賞を受賞した。少女にとりついた悪魔と神父との戦いを描いた同作は、現在も傑作として高く評価されている。ウィリアムさんは1990年の『エクソシスト3』で製作・脚本・監督を務めた。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)