「メタルギア」ハリウッド映画化は何よりも慎重に…『キングコング』監督が明言
映画界を代表するモンスター、キングコングの君臨する孤島が舞台のアドベンチャー大作『キングコング:髑髏島の巨神』を手掛けたジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督が、本作への思いと共に、メガホンを取る予定の大ヒットゲーム「メタルギア ソリッド」ハリウッド映画版について語った。
アニメーションと共に、ビデオゲームをプレイして育ったと断言するロバーツ監督。「一番好きな場所」と語るほどの日本好きで、日本のゲームクリエイターとも交流があるといい、「メタルギア」の生みの親・小島秀夫監督についても「彼はとても新しいことをやっている。とてもエキサイティングだ」と称賛を惜しまない。
それだけに、まだ脚本の作成段階だという映画版「メタルギア」については、「とても特別で、複雑な素材。トーンも独特だ。だから、正しく映画化しなければいけない」と断言。「いろんなトーンが混ざっていて、ジャンルというもののコンセプトに遊び心をもって挑んでいる。『メタルギア』は、そんな特別な素材なので、ほかの何よりも慎重な態度で扱いたいと思っている。小島監督がやったことは、とてもオリジナルだから、映画もそれを反映するものにならないといけない」と真摯(しんし)にコメント。自身の手掛けた『キングコング』についても「この『コング』を観た人は、全体的なトーンに、『メタルギア』に通じるものを見ると思うよ」と付け加えた。
今回の『キングコング』は、「映画の舞台設定を1973年にして、モンスターが出てくるベトナム戦争映画みたいにしたい」という監督の意向が反映された作品。製作スタジオのレジェンダリー・ピクチャーズに「君ならどんなコングの映画を作る?」と聞かれた際、「夕日の中、ヘリコプターが飛んでいて、(ジミ・)ヘンドリックスの曲が流れている中にコングが出てくるという、クレイジーなアイデアを思いついた」といい、「僕なら、そういう映画を観たいと思った」と語る。
確かに本作の予告編も、ベトナム戦争がテーマの傑作『地獄の黙示録』を思わせる雰囲気の中で巨神キングコングや巨大生物が暴れる映像が印象的。「テクノロジーがまだここまで進んでいなくて、科学と神話の境目がはっきりしていない時代だったというのも魅力だった」という監督は、「戦争は失敗しようとしていて、人種平等、男女平等のような動きが大きくなってきていて、石油ショックが起こって。それと同じようなことは、今もまだ起こっている」と現代に通じるテーマに言及し、「みんなが共感してくれることを願うよ」と語ると、「ベトナム戦争の映画にモンスターが出てくるなんて、誰も観たことがないよね?」と期待をあおった。(編集部・入倉功一)
映画『キングコング:髑髏島の巨神』は3月25日より全国公開