『スーサイド・スクワッド』監督、時間を巻き戻せれば悪役はジョーカーに…後悔と決意を表明
デヴィッド・エアー監督が、大ヒットを記録したものの批評的には成功を収めることができなかった映画『スーサイド・スクワッド』について、現在の率直な思いをツイートした。
『スーサイド・スクワッド』は、DCコミックスの人気悪役たちが減刑と引き換えに、危険な任務に挑む部隊“スーサイド・スクワッド”を結成して悪対悪のバトルを繰り広げるアクション映画。短期間での脚本執筆から始まる混乱した製作プロセスが報じられるなど、注目作なだけに何かと話題を呼んでいた。
同作を「傑作」と擁護するファンの声に、エアー監督は「どうもありがとう。物議を醸した映画だということはわかっている。僕は本作ならではの見た目と声を持った、これまでとは違う映画を作ろうと本当に努力したんだ」という言葉から始まる長文のメッセージを掲載。「もし万人向けの映画をつくるなら、無難なものにするのは簡単だったけど、一か八かやってみた。そして僕は『スーサイド・スクワッド』には欠点があるとわかっているし、世界もそれをわかっている。新聞を手に取り、血と汗と涙の2年間がズタズタに引き裂かれているのを見ることほど傷つくことはなかった」と酷評にも目を通したと明かす。
商業的に成功したことについてはDCコミックスとそのキャラクターの力であると考えているといい、「僕はもっと違うことができたか? ああ、きっとできた」と自問自答。本作の“悪役”(スーサイド・スクワッドが戦う相手)はカーラ・デルヴィーニュ演じるエンチャントレスだったが、「もしタイムマシンがあれば、(過去に戻って)ジョーカーをメインの悪役にして、もっと地に足のついた物語にしただろう」と後悔をにじませた。実際、完成版にはジョーカーのシーンが10分程度しかないが、演じたジャレッド・レトーはそれだけで1本の映画ができるほどジョーカーのシーンをたくさん撮影したと以前語っていた。
エアー監督は「僕はいいことも悪いことも受け止めて、そこから学ばなくてはいけない。僕は映画づくりが好きだし、DCが好き。高校を中退して、かつては生活のために家にペンキを塗る仕事をしていた。今の仕事に就けて本当にラッキーだ。次回はキャラクターたちに、彼らに見合うストーリーとプロットを与えなくてはならない」と決意を表明した。エアー監督の言う“次回”とは、ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)をはじめとしたDCの女性悪役が集結する映画『ゴッサム・シティ・サイレンズ(原題) / Gotham City Sirens』。『スーサイド・スクワッド』を経た監督の思いは強く、期待できる作品になりそうだ。(編集部・市川遥)