まだ子供だった伊藤淳史を映画主演デビューさせた監督 新作で20年ぶりの縁
当時小学6年生だった伊藤淳史の映画初主演作『鉄塔武蔵野線』(1997)を撮った長尾直樹監督の新作映画で、伊藤と長尾監督が約20年ぶりにタッグを組むことが明らかになった。伊藤は、「長尾監督から、『またいつか一緒に仕事をしたいね』と言われていた」というと、「台本を読む前に出演をお受けさせていただきました」と話した。
『アルゼンチンババア』等の長尾監督と伊藤がタッグを組むのは、今年初夏公開予定の『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』。同作は、バラエティー番組「吉田類の酒場放浪記」などで今日の大衆酒場ブームをけん引する“酒場詩人”の名で知られる吉田類の映画デビュー作。劇中では彼を案内役に、3つの居酒屋を舞台に交差する人間模様がオムニバス形式で描かれる。
伊藤が出演するのは、第2話の「どつぼ酒場」。伊藤は次から次へと災難に巻き込まれる、真面目で平凡なサラリーマン・日暮義男を演じている。久々の長尾監督との撮影だったが、伊藤のリハーサルはほとんどナシの状態だったという。伊藤は「リハーサルはほとんどせず、基本的に一発撮りだったので、現場でのノリや勢いを楽しみながら演じることができましたし、監督もそんな僕を引き出してくれ、切り取ってくれました」と振り返ると、「素の自分が出ている、激しいタンゴダンスにご注目ください」と呼び掛けていた。
本作は、伊藤が出演する第2話「どつぼ酒場」以外にも、松本妃代が居酒屋に駆け込む逃亡中のトップアイドルを演じる第1話「居酒屋チャンス」、吉田が警察に追われる謎めいたファンドの社長役で登場する第3話「ふるさと酒場土佐っ子」で構成される。(編集部・井本早紀)