山崎賢人、悩みながらもつかんだ新たな表現方法とは?
映画『一週間フレンズ。』で、川口春奈と共に主演を務めた山崎賢人。アニメ化もされた人気漫画の実写化とあり、ファンの期待も大きい同作。演技について悩んでいたという山崎だが、経験を積み、本作の役づくりを通じて一つの表現方法をつかむことができたと語る。
本作で山崎が演じた長谷祐樹は、川口演じる藤宮香織の高校のクラスメイト。香織は「毎週月曜日に友達の記憶をなくしてしまう」という秘密があるため、積極的に友人関係を築こうとはしないが、そんな彼女に「空気は読むより作るもの」というポリシーのもと、全力で走って、汗をかいて、恥をかいて向き合う長谷という人物を熱演した。
山崎と言えば、ここ数年で人気漫画の実写化作品や月9ドラマなど、世間の関心を集める作品に多数出演。山崎が演じる役どころは話題を呼び、興行的にも成功を収めるものが多かったが「本当に原作モノが続いていたので、自分でも試行錯誤しました。原作のファンの方がたくさんいるので……見た目の寄せ方と、作品が伝えたいメッセージをくみ取っての表現、そのバランスが難しくてとても悩みました」と吐露する。
人気作の実写化には、原作の知名度が上がれば上がるほど賛否が渦巻くことについて「まずは作品を観てもらわないと始まらない。それをどうやって伝えていくか、演技の上での表現を含めて勉強中です」と真摯に向き合うことによって活路を開こうとしている。そんな挑戦を繰り返し役づくりをしていくなかで、本作の撮影では「なんと言うか一個、自分のなかでつかめたものがあったんです」と打ち明ける。
「先ほども言いましたが、これまでは、見た目的な部分、原作の持つメッセージ性のバランスを考えていたのですが、この作品では、原作を捨ててみたと言うと作者の先生には失礼な言い方かもしれませんが、いったん頭から外して、純粋にこういう人間が実際にいたら、どんな部分を大事にして生きているんだろうということを突き詰めていったんです」。それは本作に限ったものではなく、山崎にとって新たな演技のかたちを見出した感覚だったという。
こうして出来上がった長谷という役柄に「すごく男の人に感情移入してほしいというか、この“感じ”わかるなって思ってもらえるように演じました。“ダサい感じ”とか“必死な感じ”が、画面から伝わるような表現ができたらいいなと思っていたんです」と込めた思いも語る。
悩みながら答えを探し続けてきたことに対して、見えてきた新たなアプローチ方法。本作以降も待機作が多く控える山崎が、苦しみながらひたむきに取り組んでいく姿に注目していきたい。(取材・文:磯部正和)
映画『一週間フレンズ。』は2月18日より全国公開
※山崎の「崎」は「たつさき」