料理上手な殺し屋の物語!SABU監督のコンペ出品作に称賛の声
第67回ベルリン国際映画祭
現地時間13日、第67回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出されている日本、ドイツ、台湾、香港合作映画『Mr Long/ミスター・ロン』のSABU監督、出演のチャン・チェン、イレブン・ヤオ、青柳翔らが会見を行った。SABU監督は一昨年の『天の茶助』に続いて、二度目のベルリン・コンペ参加となる。
本作は、超人的なナイフの使い手である台湾の殺し屋ロン(チャン)の日本でのてん末を描くもの。潜伏中の自炊が地元の人の目にとまり、クールな殺し屋が台湾料理「牛肉麺」の屋台を出す羽目になる。華麗なアクションと共に料理にも挑戦したチャンは、十分ではないと謙遜しつつも「マーシャルアーツもやっていますし、家で料理もします」と特別な準備は必要なかったと明かす。
傷ついたロンを助ける少年ジュンの母リリーを演じたイレブンは「社会の境界にいる女性であることに惹かれました」と役を受けた理由を語った。リリーは裏社会に絡めとられ、落ちるところまで落ちてしまう。そして少年の父として回想シーンに登場するのが青柳であり、SABU監督が「もっと長くしたかった」というほどの大事なシーンになっている。
チャンが大絶賛したSABU監督の絵コンテを基にした各シーンの構成美には、記者からも称賛の声が上がった。アクション、人情味、ユーモアのバランスも絶妙で、受賞への期待がかかる。しかし、当のSABU監督は「参加できるだけでうれしいです」といたって控えめだった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第67回ベルリン国際映画祭は現地時間19日まで開催