生田斗真、トランスジェンダーの友人の話を聞いて役づくり…初のベルリン映画祭で会見
第67回ベルリン国際映画祭
現地時間15日、第67回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門に出品されている映画『彼らが本気で編むときは、』で主演を務めた生田斗真、共演の桐谷健太、柿原りんか、そして荻上直子監督が会見を行った。生田が世界三大映画祭に参加するのはこれが初めて。
本作は少女と家族の物語。男を追って姿を消した母ヒロミ(ミムラ)に一人残された小学5年生の少女トモ(柿原)が叔父マキオ(桐谷)を頼ると、そこにはトランスジェンダーの恋人リンコ(生田)もいた。とまどいながらも心を開いていく少女と、叔父カップルの疑似家族生活がつづられていく。
荻上監督は制作のきっかけについて「トランスジェンダーの子供の記事(がきっかけ)でした。14歳の子から『女の子になりたい。おっぱいが欲しい』と言われた母親がニセおっぱいを作ってあげたという話に大変インスパイアされました」と明かす。
心根の美しいトランスジェンダーの女性、リンコを演じた生田は、実際にトランスジェンダーの友人から話を聞いたり、歌舞伎の女形の仕草を学んだりしたとしながら、「桐谷くん、りんかちゃんに助けられた部分もあります。二人が僕をリンコさんにしてくれたと思っています」と共演者に感謝の気持ちを表した。
男っぽいイメージの役が多かった桐谷にとっても、眼鏡をかけた書店員マキオは新境地だったという。桐谷は「今回は荻上監督が新たな扉を開いてくれました」と語り、マキオについては「家族になる、ならないではなく、大好きな人にはそっとそばにいて支える男性だと思います」と評した。
リンコに母親(田中美佐子)が最初に作ってくれたニセおっぱいが手編みであることをはじめ、タイトル通り編み物が重要なモチーフになっている。編むシーンが必須だった生田、桐谷、柿原には記者から編み物に関する質問も出た。それぞれ練習を重ねて編めるようになったという三人だが、練習を強いた荻上監督当人は「編み物はしません」というのには笑いが起こった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第67回ベルリン国際映画祭は現地時間19日まで開催