マイファスHiro、ズタボロ時代を語る…初ドキュメンタリーで「一区切り」
2011年の結成以来、ミュージックシーンで圧倒的な存在感を放ってきたバンド MY FIRST STORY を追ったドキュメンタリー映画『MY FIRST STORY DOCUMENTARY FILM -全心-』の公開記念舞台あいさつが18日、都内で行われ、ボーカルのHiroが映画が映し出すシーンの裏側を語った。この日はギターのTeru、ベースのNob、ドラムスのKid'z、本作のメガホンを取った木村和亮監督が登壇した。
2016年6月からスタートした全ての都道府県を回る全国ツアー「We're Just Waiting 4 You Tour 2016」に密着しながら、バンドの結成からおよそ5年の歩みを映し出した本作。結成当初のHiroの初々しい学生服姿や、ツアー中のバンドメンバーの素顔が見られるほか、ツアーファイナルとなった日本武道館での圧巻のライブシーンなどをダイナミックな映像で楽しむことができる。
Hiroは自身の学生服姿の話題になると、「その頃僕はまだ17歳くらい。メンバーが年上だったので当時は話すときも敬語で……」と感慨深げ。劇中、最も印象的だったシーンとして、岐阜でのライブ後に自身がメンバーに檄を飛ばしたシーンを挙げ、「人に言っている瞬間をまざまざ見ることは珍しい。自分が言ったことを撮られている恥ずかしさがあった」と照れ笑い。「ズタボロになっていた頃。(ツアーをやめて)もう帰ろうと思っていた」と当時の心中も振り返った。
木村監督はこのHiroのシーンについて、「本当に偶然始まった。こっちも慌てたところはありましたが、ドキュメンタリーは瞬間瞬間が勝負。監督は残酷でないといけないので心を鬼にしてカメラを回しました」と述懐。ファイナルの武道館ではカメラを回しながら泣いたことも明かし、「人のライブを見てそこまで泣いたことはない。今まで見続けていたバンドがああいう晴れ舞台に立ったのを間近で見て涙が出た」と話した。
Hiroは「映画になったことで僕らも一区切りつくことができた。むしろ映画になったことでこれから5、10年はもっとしたいようにできる」と本作の成果を口にし、客席のファンに「みなさんにはこれからもただただ見守っていてほしい。僕らはこれからも勝手に進んでいくので」とメッセージを送っていた。(取材・文:名鹿祥史)
『MY FIRST STORY DOCUMENTARY FILM -全心-』は2週間限定公開