実写版『美女と野獣』監督、ガストンの子分をゲイにしたワケ
現地時間5日、エマ・ワトソン主演のディズニー実写版『美女と野獣』の会見が米ロサンゼルスで行われ、メガホンを取ったビル・コンドン監督が数日前から大きな話題になっている“悪役ガストンの子分ル・フウをゲイにした理由”について口を開いた。
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コンドン監督がゲイ向けの雑誌「Attitude」に「ル・フウはいつかガストンのようになりたいと思ったり、別の日にはガストンにキスしたいと思ったりしているんだ。彼は自分がどうしたいのかについて困惑している」「それはそれで最後にクライマックスを迎えるんだけど、ばらしたくないからね。でも、それは素敵で、ディズニー映画において、まぎれもなくゲイ的な瞬間を迎えるね」と語ったことで、“ディズニー映画で初めてゲイのキャラクターが誕生した”と本国アメリカなどで大きく報じられていたこの話題。
歓迎する声や好意的な意見も多いものの、著名なキリスト教のテレビ伝道師フランクリン・グラハが教徒たちに同作のボイコットを呼びかけたり、アラバマのドライブインシアターのオーナーが上映中止を決めたり、この変更に過剰な反応を示す人々もいた。
会見でル・フウのセクシャリティーが大きな話題となっていることをどう思うかと問われたコンドン監督は「僕たちは『美女と野獣』を実写にしただけでなく、2017年版にしたんだ」と本作のコンセプトを説明。「物語はいつだって、より近くで、より深く、人々の本当の姿を描いてきた。今回はとてもディズニーらしいやり方で、僕たちは“みんな”を含む映画にした。それが重要だと思った」と続けると盛大な拍手が贈られた。
この日の会見の前には、アニメーション版も手掛け、これまでに8個のオスカーを獲得している作曲家のアラン・メンケンがピアノで次々と『美女と野獣』の名曲と実写版のための新曲を披露する一幕も。「強いぞ、ガストン」のパフォーマンスではガストン役のルーク・エヴァンスとル・フウ役のジョシュ・ギャッドも加わって、息の合った様子でガストンの素晴らしさをたたえる歌を歌いあげて大歓声を浴びた。(編集部・市川遥)
映画『美女と野獣』は4月21日より全国公開