エマ・ワトソン主演『美女と野獣』が『ハリポタ』超え!記録破りの大ヒット
全米ボックスオフィス考
先週末(3月17日~3月19日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、エマ・ワトソン主演のディズニー実写版『美女と野獣』が興行収入1億7,475万616ドル(約200億9,632万840円)で断トツの初登場1位に輝いた。エマがハーマイオニー役を務め、シリーズ最高興収を上げた『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011)のオープニング興収1億6,918万9,427ドル(約194億5,678万4,105円)をも上回る大ヒットだ。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル115円計算)
1991年の名作アニメーション映画を『ドリームガールズ』のビル・コンドン監督がエマを主演に迎えて実写化した本作。エマは「『美女と野獣』の撮影が終了した日がちょうどハーマイオニー役に決まった日と同じで、まるでわたしのハーマイオニーとしての旅路が『美女と野獣』という終点にたどり着いたような不思議な達成感があったの!」とロンドンプレミアの際に語っていたが、興収面でも『ハリー・ポッター』を超え、大人の女優として大きな一歩を踏み出すことに成功した。
歴代のオープニング興収ランキングでも、1位『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、2位『ジュラシック・ワールド』、3位『アベンジャーズ』、4位『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、5位『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に続き6位という好成績(『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』は8位)。ヒュー・ジャックマン主演作『LOGAN/ローガン』を抜いて2017年公開作でナンバーワンのオープニング興収となったほか、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)が保持してきた3月公開作品のオープニング興収記録も塗り替えた。
全米を含む世界興収は3億5,702万6,593ドル(約410億5,805万8,195円)と海外でも大ヒット。本作では悪役ガストン(ルーク・エヴァンス)の子分ル・フウ(ジョシュ・ギャッド)がゲイのキャラクターになり、劇中に“ゲイ的な瞬間”があるとしてロシアでは「16禁指定」で公開されたが、実写版『シンデレラ』のオープニング興収の2倍となる600万ドル(約6億9,000万円)を稼ぎ出しており、興収への影響はほとんどなかったようだ。同シーンをめぐる問題でディズニーが公開を取りやめたマレーシアはそもそもマーケットが小さかった。
今週末は、テレビシリーズ「白バイ野郎ジョン&パンチ」(1977~1983)を基にした新作映画『チップス(原題) / CHiPS』、ライアン・レイノルズ、ジェイク・ギレンホール、真田広之共演の宇宙スリラー『ライフ』、アメリカ版スーパー戦隊の劇場版『パワーレンジャー』などが公開される。(編集部・市川遥)
3月17日~3月19日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『美女と野獣』
2(1)『キングコング:髑髏島の巨神』
3(2)『LOGAN/ローガン』
4(3)『ゲット・アウト(原題) / Get Out』
5(4)『ザ・シャック(原題) / The Shack』
6(5)『レゴバットマン ザ・ムービー』
7(初)『ザ・ベルコ・エクスペリメント(原題) / The Belko Experiment』
8(7)『ヒデン・フィギュアーズ(原題) / Hidden Figures』
9(8)『ジョン・ウィック:チャプター2』
10(6)『ビフォア・アイ・フォール(原題) / Before I Fall』