ビートたけし、山田孝之の執念に圧倒される
俳優の山田孝之が5日、都内で行われたテレビ東京開局 記念日ドラマ特別企画「破獄」完成披露試写&記者会見にビートたけし、吉田羊と出席し、極寒の網走でふんどし一丁になった執念の撮影を明かした。
本作は、脱獄阻止のエキスパートで監獄の守り神でもある看守部長・浦田進(たけし)と、無尽蔵の生命力で犯罪史上未曾有の脱獄を繰り返した無期懲役囚・佐久間清太郎(山田)との奇妙な共生関係を通して、生きるとは、絆とは何かを描く、究極の脱獄&追跡エンターテインメント。吉村昭の名作が原作で、1985年には緒形拳、津川雅彦のW主演でドラマ化された。
極寒の北海道・網走や長野で過酷なロケを行った山田は、「遠くから雪の中を走る数分間のカットを撮ったんですけど、ずっと雪に触れていた左手薬指の先っちょが凍傷になって感覚がない」と打ち明けると、「これからもテレビ東京でやりたいことがあるので、そういうときにこれを武器として、訴えない代わりに『僕の左手薬指の感覚を奪いましたよね』と言えば、ある程度のことやらせてもらえるかなと思っています」とぶっちゃけ。
また、厳しいトレーニングによって体を作り上げるも「網走のマイナス10度の中、ふんどし一枚(になるというの)はさすがにキレそうでしたね」と苦笑すると、「牢獄の中で、後ろ手錠と足錠を掛けられた状態で、感情が高ぶって壁に頭を打ちつけるシーン」での苦労も吐露。撮影後、手元の撮影のためだけに同じ演技の繰り返しを要求されたそうで、「コノヤローと思いながらやりました。それに関しては、ネチネチとまだ怒りがあります」と執念を燃やした。
一方のたけしは、1985年以降に佐久間役のオファーを受けるも「雪の中を走るのが嫌だと断った」と明かしつつ、「今までは凶悪犯の役が多く、今回は看守ということでどうやろうかなと思ったが、たまにはそういうチャレンジもしてみよう」という気持ちが芽生えて出演を快諾した経緯を紹介。そして、初共演の山田と吉田を「競争に勝ち抜いてきた人たちだから独特の雰囲気で、芝居がうまい」と絶賛すると、さらに「山田君がひと言言うたびに津軽弁の直しが入っているのを見て、俺だったらキレてやめるのに、すごかったですね」と、山田の役者魂を称賛した。(取材/錦怜那)
テレビ東京開局記念日 ドラマ特別企画「破獄」は4月12日夜9時よりテレビ東京系にて放送