“きりたんぽ騒動”のテレ朝ドラマ「えなりくん」に変更
テレビ朝日系で放送予定だったドラマ「サヨナラ、きりたんぽ」のタイトルについて、「きりたんぽ」のイメージを損なう恐れがあるとして秋田県などが抗議し、同局が謝罪してドラマ名の見直しを発表していた問題で、ドラマに俳優のえなりかずきが「えなりくん」という役名で出演しており、タイトルが「サヨナラ、えなりくん」に変更されたことが21日、明らかになった。渡辺麻友(AKB48)演じる主人公は、「きりたんぽ」では純愛を貫くがゆえに男性の下腹部を切断してしまうという設定だったが、「えなりくん」では男性の裏の顔を見た途端に豹変して「特殊能力を発揮する」と発表された。渡辺とえなりは今回がドラマ初共演となる。
「サヨナラ、きりたんぽ」は1936年に発生した阿部定事件をモチーフに、渡辺ふんする桐山さおりが「純愛を貫き通すため」「理想の男性に裏切られた復讐のため」「愛の方向性がズレたため」といった理由で相手男性の下腹部を切断するというセンセーショナルな内容のラブコメディードラマだったが、題名に使用された秋田県の郷土料理「きりたんぽ」のイメージが悪くなると物議を醸していた。
この“きりたんぽ騒動”を受け、テレビ朝日は題名を「サヨナラ、えなりくん」に変更した。さまざまな男性遍歴を持ち、今は理想の結婚相手を求めて婚活に励むヒロインがクセのある男性を相手に純愛を貫こうとするというストーリーに変わりはないものの、今回の同局の発表に「下腹部を切断する」という表現はなく、「特殊能力を発揮する」とされている。
新しいタイトルとともに出演が明らかになったえなりが担うのは、物語のカギを握る重要な存在である「えなりくん」という役どころ。幼少期からドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)で、小島五月(泉ピン子)と小島勇(角野卓造)の息子で家族思いの小島眞を演じてきたえなりが、今作では「“悪キャラ”のえなりくん」役に挑戦しているという。えなりは「僕の想像力をはるかに超えた企画でしたので、どういうものになるかまったく想像がつかなかったのですが、そういった未体験の作品こそチャレンジしてみようという思いで、撮影に臨んでいます」とコメントしている。
企画・原作を秋元康が担当し、“まゆゆ”の愛称で親しまれる渡辺が「アイドル・渡辺麻友のイメージをぶち壊したい! 自分の殻を破りたい!」と意気込みを語っている本ドラマ。新たなタイトルに込められた意味も含め、注目したい。(編集部・海江田宗)
ドラマ「サヨナラ、えなりくん」はテレビ朝日系で4月30日より放送開始