ハリウッドのヒットメイカー、ロン・ハワードが手掛けたアインシュタインの素顔
映画『ダ・ヴィンチ・コード』『アポロ13』などのヒットメイカー、ロン・ハワード監督が、ナショナル ジオグラフィック製作の新テレビシリーズ「ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン」について、オスカー俳優のジェフリー・ラッシュと共に4月20日(現地時間)にトライベッカ映画祭開催のイベントで語った。
好奇心と想像力に満ちた学生の頃のアインシュタインと、ナチス台頭に危機感を抱きながらも、ファシズムに抵抗した中年期のアインシュタインを交錯させながら、彼の人間性を解き明かしていく。若き日のアインシュタインを映画『ブルックリンの恋人たち』のジョニー・フリンが演じ、世界的に名声を確立した中年期をジェフリーがふんした。
製作理由についてハワード監督は「数年前に映画製作する予定だった脚本を読んだが、その脚本はアインシュタインの一部の時代しか記されておらず、(彼の人生が)限定されたり、編集されたりしている気がした。でもパイロット番組用の脚本を読んだときには、テレビシリーズとして彼の人生を分けて描けると感じた。さらに、その脚本の原作となったウォルター・アイザックソンの『アインシュタイン その生涯と宇宙』を読んでみると、驚きの内容がたくさんあった」と答えた。
さらにハワード監督は、アインシュタインについて「彼は自由な考え方を持ち、ボヘミアンな生活をしていた。また、彼がユダヤの血を引き、ナチスのヒトラーからリスト(暗殺の対象者)に挙げられていたことや、J・エドガー・フーバーFBI長官にも目をつけられ、アメリカにしばらく入国できなかった時期もあったなど、これほどまでに議論を呼ぶような人物でもあったことも知らなかった」と答えた。
ジェフリーは、若き日のアインシュタインを演じるジョニーと話し合いをしたそうだ。「当時、ヨーロッパで撮影していた僕は、ジョニーとはSkypeで最初に話し合った。それからロンドンで会って、一緒に街をぶらぶらして、お互いを理解しあった」。さらに中年期のアインシュタインを演じるにあたって「(スタッフ陣から)送ってもらったアインシュタインのニュース映像を通して、議会の政治家の前でスピーチしたり、大学で教べんをとったり、レポーターを笑わせたりする公共の場での彼を知った」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)