上戸彩、『昼顔』撮影で号泣…2年前の気持ちがフラッシュバック
女優の上戸彩が、11日、六本木ヒルズアリーナで行われた映画『昼顔』ファンミーティングに来場し、映画の撮影に入る際に号泣したエピソードを明かした。この日は、斎藤工、伊藤歩、平山浩行、西谷弘監督も出席した。
本作は、それぞれ妻・夫がいる身でありながらも激しく惹(ひ)かれ合ってしまった男女が、禁断の愛に身を投じるさまを描き出し、人気を博した2014年放映のテレビドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち」の劇場版。当時の流行語大賞にノミネートされるなど、社会現象を巻き起こした「昼顔」の新作とだけあり、会場には500人のファンが来場し、キャストとの交流を楽しんだ。
ドラマ版のクライマックスで、一度は引き離されてしまった北野(斎藤)と紗和(上戸)だが、本作で二人は再会。再び禁断の愛に落ちてしまうこととなる。久々に『昼顔』の世界に飛び込んだ上戸は、「2年撮影期間が空いたので、紗和に戻れるのかという不安がありました」と正直な思いを吐露。「連続ドラマでは、学校の放送で北野先生の声を聞いて別れているので、(今回の映画版の撮影で、芝居の)段取りをやったときに、2年前の自分の気持ちがフラッシュバックしてきて、涙が止まらなくなりました。紗和が蘇ったし、北野先生が自分の中に生きていたと感じ、全てが始まった感じがしました」としみじみ。
一方の斎藤は「(紗和とは)久しぶりの再会だったので、なれ合ったというよりは、ある距離をもって、撮影に臨みました。それは(上戸と)口約束でそうしようと言って、そうしたわけはでなく、空気でわかった感じです。言葉じゃなくて通じるのはすごく居心地が良かったですね」と久々の『昼顔』の現場に感じることが多かったようだ。
それを受けた西谷監督は「映画版が作られることは想像していなかった」と前置きしつつも、「ドラマ版の最終回が終わったあとの知人からの反響が違いました。普段は面白かったとか、そういうメッセージだったんですけど、今回は、紗和はあれでいいんですかと、文句を言われるようなメッセージが多かったので、映画版で続けられればいいなと思っていました」と振り返った。
イベント中には、斎藤が書いた記憶がないのに、「さいとうたくみ」と平仮名で書かれた謎のサインが、地方のPRキャンペーン用のポスターに記されていたというほほ笑ましいエピソードも披露。「これを書いたのは誰ですか?」という司会からの問い掛けに、「はい」と手を挙げたのは上戸。「キャンペーンに工くんが来てくれなかったので、魂を置いていこうと思って。少しでも工くんに近づけるために、利き手じゃない左手で(サインを)書きました」と告白。
伊藤が「なかなか人のサイン書けないですもんね、雰囲気もそっくり」と称賛すると、斎藤はあきれた様子で「ぼくが(キャンペーンを)雑にしているという人がいて。そこはちょっと違うぞと言いたいです」と口をとがらせるも、上戸は「また工くんがいないときに書きます」と宣言してみせるなど、和気あいあいとした様子のイベントとなった。(取材・文:壬生智裕)
映画『昼顔』は6月10日より全国公開