離婚寸前のW不倫熟年夫婦が寄りを戻すラブコメディーとは?
映画『愛と青春の旅だち』のデブラ・ウィンガーと『8月の家族たち』の原作者で俳優としても活躍するトレイシー・レッツが、離婚寸前の熟年夫婦を演じたラブコメディー『ザ・ラヴァーズ(原題) / The Lovers』について、5月4日(現地時間)ニューヨークで行われたAOL開催のイベントで、監督のアザゼル・ジェイコブスと共に語った。
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本作は、それぞれに浮気相手がおり離婚寸前の熟年夫婦メアリー(デブラ)とマイケル(トレイシー)が、ある出来事をきっかけに夫婦の愛を再燃させ、思いがけない結末になるというもの。監督・脚本をアザゼル・ジェイコブスが務めている。
本作でこれまでのイメージからは意外なコメディー映画での魅力を発揮しているトレイシー。舞台ではさまざまな役に挑戦してきたものの、テレビや映画の世界ではシリアスな役を務める俳優として型にはめられてきたと感じていたようで「これまでカメラの前で演じてきた僕の役は、権威のある人物やスーツを着たような男ばかりだったが、今作はさまざまなことにトライできる機会を与えてくれた」と喜びを明かす。
一方、夫婦役を務めたデブラは本作への出演理由について「数年前に映画館でジョン・C・ライリー主演の映画『テリー(原題)/ Terri』という素晴らしい作品を見たの。ジェイコブス監督の作品だったのだけど、とても感動して『彼には何かある!』と感じたのよね。だから彼に、いつかもし何か企画があったら、わたしとタッグを組んでみない? って手紙を書いたのよ」と明かした。
その『テリー(原題)/ Terri』以後、テレビシリーズの脚本・監督を務め、最近では話題のドラマ「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」の監督も手がけたジェイコブス監督。本作は1930~40年代のスクリューボールコメディーの影響を受けているそうで「(本作の)冒頭はハワード・ホークス監督作品などがエンディングで使うようなシーンを、あえて冒頭に持ってきていて、物語のスタート地点になっているんだ」と語る。
また自身が影響を受けた監督や作品については「1970年代のハル・アシュビーやロバート・アルトマンなどの独立系作品。彼らの作品は何度鑑賞しても、まだ(理解が)十分ではない気がするね。あとはマーティン・スコセッシ監督の『キング・オブ・コメディ』。毎年観ているんだけど、ユーモアがあり、明るさとダークな部分がバランスよく描かれているんだよ」と答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)