永井豪はマーベル巨匠スタン・リーと同レベル!町山智浩、欧米での評価語る
永井豪原作のアニメ「鋼鉄ジーグ」を重要なモチーフにして生み出されたイタリアのダークヒーローエンターテインメント『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』のトークイベントが17日、渋谷のユーロライブで行われ、映画評論家の町山智浩、作家の樋口毅宏が同作について大いに語り合った。
1975年に日本で放送開始、1979年にはイタリアでも放送され、40年近くたった今もなお、イタリア人の心の中に深く刻まれている「鋼鉄ジーグ」をモチーフに生み出された本作。「『鋼鉄ジーグ』って東映だよね。東映に許可をとったの?」と疑問を声に出す町山に、スタッフが「ちゃんと許可を取ったらしいですよ」と耳打ち。「へえ、すごいね」と感心した様子の町山は、「永井豪さんってヨーロッパやアメリカではカリスマなんですよ。(マーベルの)スタン・リーと同じレベルで尊敬されています。『マジンガーZ』や『キューティーハニー』、そして『UFOロボ グレンダイザー』はフランスだと国民的アニメですからね」と解説しつつ、「いろんな映画祭に呼ばれた時も、永井先生は億万長者だと思われているんですが、日本だとそんなことないんですよね」としみじみ付け加えていた。
一方、「子どもの頃に買ってもらったおもちゃが鋼鉄ジーグだった」という樋口は、「あのとき買ってもらったおもちゃがこんなになって帰ってきたんだ」と感慨深げ。本作のメガホンをとったのは、少年時代から日本アニメの大ファンだったというガブリエーレ・マイネッティ監督で、樋口は「雑誌『映画秘宝』の監督インタビューを読むと分かるけど、そういうものを観て育った人ですね」と感心しきりだった。
そんな本作のストーリーは、荒廃したイタリアを舞台に、超人的な力を得た男が「鋼鉄ジーグ」ファンの少女を守るため、闇の組織と戦うというもの。「最初は物語がどこの方向に行くんだろう、大丈夫かなと思うんですが、後半になるとちゃんとしたヒーローアクションになります」と町山。「杉作J太郎さんが、『本物の「鋼鉄ジーグ」とか、巨大ロボットが出ないならこの映画を観ない』という人がいると聞いて、日本人の民度はそこまで下がったのかと嘆いていたんですが、でもここにこうやって集まってくださっている方は、大丈夫だと思います。皆さんの期待に添える内容の映画だと思うので、ご安心ください」とお墨付きを与えていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』は5月20日より全国順次公開