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妻夫木聡、若作りが必要になってきた?

妻夫木聡
妻夫木聡 - 写真:高野広美

 “男のシンクロ”というユニークな題材をもとにした映画『ウォーターボーイズ』で一気にブレイクを果たし、最近では『怒り』での同性愛者、『ミュージアム』での猟奇殺人鬼など幅広い役をこなす俳優・妻夫木聡山田洋次監督が手がけた新作『家族はつらいよ2』では、前作に引き続き次男・庄太を演じているが、「僕のなかには庄太のようにピュアな心を持った人間はいない」と苦笑しつつ、「若作り」も必要だったという本作の撮影を振り返った。

【画像】若い!『ウォーターボーイズ』での妻夫木聡

 『男はつらいよ』シリーズなどの山田監督がメガホンを取った同作は、随所に笑いをちりばめながら、ある一家の悲喜こもごもを描いた作品の続編。『東京家族』でも共演していた橋爪功吉行和子西村雅彦夏川結衣中嶋朋子林家正蔵蒼井優、そして妻夫木といった名優たちが集結しており、妻夫木は真面目で心優しく、たびたび兄や姉と衝突する父親をなだめる、家族間の潤滑油のような存在である庄太にふんしている。

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 演じるにあたって「具体的なモデルはいない」と語る妻夫木だが、実はこの役、ぎりぎりになって役の設定が変わった経緯がある。脚本の読み合わせの段階ではもっと『東京家族』に近い役柄だったという。

 「僕以外の人も同じ役ではないんだけど、(『東京家族』の役と)通じるものがどこかあると思うんです。だから僕は切り替えてやっている感があります」と明かし、自身の役どころについては「(庄太みたいな人も)なかにはいるんでしょうけど、僕自身のなかにここまでピュアな心を持った人間はいない(笑)。ある程度自分自身を切り捨てて役のなかに入っていければという気持ちで演じています」と説明する。

 現在36歳になり俳優として輝かしいキャリアを誇る妻夫木だが、今作ではベテラン俳優たちに囲まれている。親しみやすい橋爪の人柄もあり、撮影現場で年齢差を意識することはあまりなかったらしいが、最近は自分自身の加齢に引っかかるものがあるそう。「庄太と憲子(庄太の結婚相手)って、子どもっぽくはないけど大人過ぎない。応援したくなる感じなんですよ。年齢的なことでいうとちょっと若作りをしないといけないなと思うようになりました」と笑っていた。

 そうはいっても、劇中では初々しさの残る夫婦を憲子役の蒼井とともに見事に演じきっていた妻夫木。名匠・山田監督の喜劇にさわやかな空気を吹き込む役割を果たしている。(取材・文:高山亜紀)

『家族はつらいよ2』は全国公開中

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