蒼井優、甥っ子に全力でいないいないばあ
女優として唯一無二の魅力を放ち、トップを走り続けている蒼井優だが、そんな彼女でも誰もいない自宅からテレビ電話で甥っ子をあやし、電話が終わった後の空しさに人知れず落ち込むことがあるという。山田洋次監督の喜劇映画『家族はつらいよ2』で次男・庄太(妻夫木聡)の妻で、周囲に愛されるしっかり者の憲子を演じた蒼井が、「参考にしているのは兄のお嫁さん」と役作りの秘密や甥っ子との交流について語った。
橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵といった名優たちが集結した喜劇映画の続編で蒼井がふんしているのは、妻夫木演じる庄太の妻・憲子。蒼井が「最近は色んな役を演じますが、こんなにいい子の優等生の役は山田組しかもらえません」と苦笑するほど、素敵な女性である。
橋爪から「キャストのなかで一番の大ウソつき」とお墨付き(?)をもらえるほど蒼井のなり切りっぷりは見ごたえ十分なのだが、実はこの演技の陰には彼女の兄のお嫁さんの存在があるそうだ。
蒼井は「庄太と憲子の2人は兄夫婦にそっくりなんです。気づいたらしっかり幸せになっているような、着実に幸せの基盤を築いていく様子が同じ」と兄夫婦について言及した。「1年は2人で楽しく過ごしましょうって決めていて、結婚して2年後くらいに子どもが生まれて、子どもが2歳になってから家を買って……。すごくちゃんとしているのに初々しさもあるところなど、庄太・憲子を思わせます」と話す。
時には甥っ子をテレビ電話であやすこともあるそうだが、そのことについて「惨めです」とぼやく蒼井。「誰もいない部屋で全力の『いないいないばあっ!』とかやって、電話を切った後の空しさときたら……。『ち~ん』といった感じになります」と意外な一面を笑いながら明かした。
それでも落ち込んだままではなく、ちゃっかりお嫁さんを観察して演技に活かしているのは、さすがの女優魂といえるだろう。「本当に性格のいい方で、ご家族も実にいい方々。『よく嫁いでくださいました』というぐらい素敵なんです。だから演じる際は彼女を目指しています」と続けた。
相手役の妻夫木も「こんな子が実際にいたら、本当に自慢できるよ」と絶賛する蒼井の素敵なお嬢さんぶりは『家族はつらいよ2』では、さらにパワーアップしている。(取材・文:高山亜紀)
映画『家族はつらいよ2』は全国公開中