テロ犠牲者遺族との絆も…アリアナ・グランデ、英マンチェスターで追悼コンサート
米人気歌手のアリアナ・グランデが4日(現地時間)、先月に英マンチェスターで発生した爆破テロの被害者や遺族を支援するために、再びマンチェスターへ戻り、慈善コンサート「ワン・ラヴ・マンチェスター」を行った。およそ5万人のファンが会場を埋め尽くし、アリアナのほかに、ジャスティン・ビーバー、ケイティ・ペリー、コールド・プレイ、リアム・ギャラガーといったアーティストたちが追悼の意を込めてパフォーマンスを行った。
先月22日、マンチェスター・アリーナで開催されたアリアナのコンサートで22名が死亡する自爆テロが発生。今回の慈善コンサートは、アリアナが自身のマネージャーに「今、何かしないと。このままではいられない」と電話をしたことで急きょ企画されたものだ。アリアナは発生から4日後には公式Twitterで慈善コンサートを行うことを表明。6月1日に発売されたチケットは6分ほどで完売した。
そして迎えた当日、テロが発生したマンチェスター・アリーナから車で約10分の距離にあるオールド・トラフォード・クリケット・グラウンドには多くのファンが詰めかけた。コンサートの冒頭では、会場の全員で黙とうを捧げる場面も。ファレル・ウィリアムスやマイリー・サイラスらが会場を盛り上げていく。
そして、アリアナのマネージャーが「恐怖は私達を引き裂くことはできない。なぜなら今日、こうしてみんなでマンチェスターと一緒にいるから」と観客に語りかけると、アリアナはコンサートのロゴが入った白のスウェット姿で登場し、「ビー・オールライト」や「ブレイク・フリー」を披露した。
その後も、アリアナはテロ被害者を含む児童合唱団とともに「マイ・エヴリシング」を歌い、リードを担当していた少女が涙ぐんでしまうとなだめるように寄り添ったり、さらにはテロで命を落とした15歳の犠牲者・オリヴィアさんの母親に数日前に会ったことも告白。「数日前、オリヴィアのお母さんに会うや、涙があふれてきて、思わず彼女のことを抱きしめたの。そしたら、お母さんが『オリヴィアは、あなたの泣いている姿よりも、ヒット曲を歌っている姿を見たがるはずよ』と私に言った」。そのエピソードを受けて、アリアナは予定していたセットリストを大幅に変更したことを明かし、「今日は愛と楽しさ、そして明るいエネルギーに満ちているわ。どうもありがとう」と感謝を伝えた。
テロに屈しないという姿勢のもとで進んだ同コンサート。ケイティ・ペリー、ジャスティン・ビーバー、コールド・プレイ、リアム・ギャラガーらそうそうたるアーティストも続々とパフォーマンスを行ったほか、デヴィッド・ベッカム、ポール・マッカートニー、スティーヴィー・ワンダーら参加できなかった著名人からのビデオメッセージも多く上映された。今回のコンサートの売上は、イギリスの赤十字とマンチェスターが設立した「We Love Manchester Emergency Fund」を通じて犠牲者の支援の為に寄付される。(編集部・石神恵美子)