この謎の美女は一体!?「なつかしい」「女版ディーン」の声も
12日に放送される嵐の相葉雅紀主演の月9ドラマ「貴族探偵」に、台湾で活躍する日本人女優・田中千絵が出演することが5日に明らかになった。台湾で社会現象になった映画『海角七号 君想う、国境の南』に出演し、同地では絶大な知名度を誇る田中だが、日本のドラマへの出演は今回が12年ぶり。“謎の美女”にネットには様々なコメントが寄せられ、「知らない人だけどキレイ」「久しぶり」「なつかしい~」という声のほか、先に香港など海外で活躍してNHK連続テレビ小説「あさが来た」(2015)の五代友厚役でブレイクした俳優ディーン・フジオカを引き合いに出し、「女性版ディーン」と評す声も上がっていた。
日本のメイクアップアーティストの第一人者トニー・タナカ氏の長女である田中千絵は1981年生まれの35歳。1996年に芸能界デビューし、美少女ブームを巻き起こした次世代女優発掘ドラマ「美少女H」(フジテレビ系)や窪塚洋介主演の『ピンポン』、田中麗奈主演の『ドラッグストア・ガール』などに出演していた。
そんな田中にとって転機となったのが、ガソリンスタンドで働くスタッフという役を務めた台湾映画『頭文字D THE MOVIE』(2005)。アジアで活躍する様々な俳優が出演した同作の経験からアジア映画の可能性を感じるとともに、メガホンを取ったアンドリュー・ラウ監督から「中国語を勉強してアジア映画界にもっとチャレンジしては?」と激励を受け、2006年に中国語を学ぶべく女優活動を休止して単身台湾へと留学した。
そして8か月の語学留学を終えて日本への帰国準備をしていた時にオファーを受け、1940年代の日本統治時代と現代の台湾を舞台にした『海角七号』にヒロインとして出演。この演技で台湾版アカデミー賞と称される「金馬奨」に、日本人としては初めて最優秀新人賞にノミネートされた。2009年にNewsweek誌(日本版)の「世界が尊敬する日本人100人」に選出、2012年には内閣府から「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」の1人にも選ばれている。
満を持しての日本ドラマ“凱旋出演”となる田中は、「私にとってとても意義深いものでした」と今回の「貴族探偵」へのオファーを喜んでおり、撮影現場については「久しぶりの日本語でのお芝居に最初は慣れない感じでしたが、共演者のみなさん、スタッフのみなさんがファミリーのようで、とっても温かい現場でした」と振り返っている。同ドラマの羽鳥健一プロデューサーは「ドラマの中の重要な役どころを見事に演じ切っていただいています」と田中の演技を絶賛しており、「(田中は)夏は中国の作品の撮影を予定しているということで、ますますアジアでの活躍を願ってやみません」とエールを送っている。(五十嵐洋介)