大野智が「痛い」と苦しんだ忍者アクションの裏側
映画『忍びの国』のトークショー付き試写会が8日に都内で行われ、中村義洋監督、原作者の和田竜が出席。撮影中、主演の大野智が「痛い!」と声を上げる場面があったなど、ワイヤーアクションに込めたとあるこだわりを中村監督が明かした。
本作は織田軍と伊賀忍びの戦い「天正伊賀の乱」を題材に、「のぼうの城」などの作家・和田のベストセラー小説を実写化したアクション時代劇。普段は怠け者だが伊賀忍者最強とされる男・無門(大野)が、熾烈な戦いに身を投じる姿を描く。
忍者を描くにあたりワイヤーアクションも取り入れた本作だが、中村監督いわく「(今のお客さんは目が肥えて)ワイヤーが見えているような気がするんです。だから、ワイヤーを連想させない動きを意識しました」と強調。そのため、俳優がワイヤーに吊られた際には「両手を伸ばし片足を曲げたようなポーズはやりたくなかった」と定番のポーズを極力避けたこだわりを語った。
とはいえ、撮影では俳優に苦労があったそうで、中村監督は「そのポーズの方が股間とかも安定して役者さんが楽な姿勢なので、アクション部も勧めるんです」とも。続けて、「でも、何とかならないかということでワンカットもないんじゃないかな。だから、今回はワイヤー(の存在)を感じないと思いますよ。ただ、役者のみなさんの痛さは半端じゃなかったようです。『痛い痛い痛い痛い!』との声もあって、大野君にも『笑顔じゃなかったからもう一回』とか挑戦してもらいました。『だって痛いよ』『折れちゃうよ』と言うのを、『もう一回で済むから』とか言ってやってしまいました」と話すなど、痛みと背中合わせだった撮影の日々を振り返った。(取材・文:中村好伸)
映画『忍びの国』は7月1日公開