上映中にプロフェッサーX卒業を決意 ウルヴァリン最終章は「完璧な結末」
映画『X-MEN』シリーズでプロフェッサーX/チャールズ・エグゼビアを演じてきたパトリック・スチュワートが、ヒュー・ジャックマンが最後のウルヴァリン役に挑んだ映画『LOGAN/ローガン』(公開中)について「完璧な結末だ」と思いを語った。
2000年に公開された『X-メン』より“地上最強のテレパス”という能力に苦悩しながらミュータントたちを導いてゆくプロフェッサーXを、長きに渡り演じてきたパトリック。『ローガン』への出演が決まった時の気持ちについて「お別れだという気持ちはなかった。ウルヴァリンの映画に再度エグゼビアとして登場できることがうれしくて、これが最後とか、そういうことは考えていなかったよ」と振り返った。
「ただ、完成したものを観て『これ以上のことはできない』という気持ちに駆られた。映画の最後には、感情的な体験をして『このシリーズに別れを告げるのに、これほど完璧な終わり方はない』という思いに辿り着いたよ。エンドロールが終わる頃には決心ができたんだ」と感慨深い表情を見せた。
現在76歳のパトリックは、17年前のシリーズ初撮影の現場を「カメラが回ってないときには皆で輪になって座って楽しい時間を過ごしたものだ。その頃の輪は今より小さかったけどね」と回想。「俳優が毎日やっている、他者の気持ちになるという仕事は、意識や視野を広げることができる、とても恵まれた仕事だ。他者の立っている場所に立ち、他者の問題を自分の問題として見るんだ」と語ると、「今回は、撮影前に20ポンド(約9キロ)ほど体重を落としたよ。ヒューが僕を持ち上げるシーンがあって、重いと悪いからね」とユーモアたっぷりに役づくりに言及した。
「昔、演技の先生に『失敗に対して保障をかけているようでは成功しない』と言われたことがある。その言葉を実践してみたんだ。本当に(その言葉を)理解するのに何十年もかかっていたことに気付いたよ。僕はずっと保障をかけてきたんだ。バカだったよ。今回は、自分が良いか悪いかなんか忘れて、演技ができるできないも関係なく、ただこの人物になりきってその瞬間を生きてみよう……そう思った」と情熱を込めて口にしたパトリック。「みんなはウルヴァリン最後の作品だって言うけど、僕にとっても最後だ。この映画に参加できてとても嬉しく、楽しい時間を過ごしたよ」と満足感いっぱいの笑顔を浮かべた。(取材・文:村田由美子)