ハン・ソロの演技にルーカスフィルム不満…監督・編集クビの『スター・ウォーズ』演技コーチも雇われていた
フィル・ロード&クリス・ミラー監督(『LEGO(R)ムービー』)の電撃降板が大きな話題となった、『スター・ウォーズ』のハン・ソロ主役の新作スピンオフ映画だが、監督コンビだけでなく編集のクリス・ディケンズ(『宇宙人ポール』)もクビになっていたことが明らかになった。また、ルーカスフィルムはハン・ソロ役のオールデン・エアエンライク(『ヘイル、シーザー!』)の演技に満足しておらず、撮影途中で演技コーチが付けられたと The Hollywood Reporter が報じた。
ロード&ミラー監督の降板は「創造上の相違」によるものと発表されたが、同サイトに関係者が語ったところによると、ルーカスフィルムは彼らの撮影の進め方が遅い点、さまざまなアングルで撮ったりしないために編集時の選択肢が少ない点、即興を重視し、シリーズに長年携わってきたローレンス・カスダンと、その息子ジョン・カスダンが執筆した脚本をどんどん変更する点をよく思っていなかったとのこと。
一方で、ロード&ミラー監督も映画を作る上での自由が全くなく、スケジュールにがんじがらめにされ、撮影初期からそれぞれのシーンに十分な時間が与えられなかったと感じていたという。ルーカスフィルムは撮影開始から3か月がたった5月には編集のディケンズを解雇してリドリー・スコット監督作などで知られるベテランのピエトロ・スカリアを雇い、ロード&ミラー監督がハン・ソロ役のオールデンから引き出した演技にも満足していなかったため、彼のための演技コーチを雇うなどの対策を行った。
しかし、ルーカスフィルムの社長であるキャスリーン・ケネディはそれでは十分でないと感じ、助っ人脚本家トニー・ギルロイを追加招集した『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と同様に(スタジオはギャレス・エドワーズ監督のファーストカットに不満で、ギルロイのサポートの下、エドワーズ監督に撮り直しをさせたとされている)、本作ではカスダンにその役割を負ってもらおうと考えたが、ロード&ミラー監督はそれに応じず。そして二人は解雇となったという。
後任に決まったのは、『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズなどのロン・ハワード監督。ハワードは自分が監督になることでロード&ミラーがどう思うかを心配しており、彼らにメールを送ったとのこと。関係者は、二人はハワードにとても協力的だったと語っている。ハワード監督は現地時間26日からロンドンで指揮を執っており、9月にも追加撮影を予定しているが、ロード&ミラー監督が撮った素材の多くもそのまま使用できるようだ。公開日の変更はなく、2018年5月25日全米公開。(編集部・市川遥)