低予算映画から『スパイダーマン:ホームカミング』監督に!大変だったこととは?
アメコミヒーローきっての知名度を誇るスパイダーマンが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に本格参戦する新作映画『スパイダーマン:ホームカミング』で監督を任されたジョン・ワッツがインタビューに応じ、超大作である本作の現場と、これまで主戦場だった低予算映画の現場での違いなどを語った。
シビル・ウォー中に自撮り!『 スパイダーマン:ホームカミング』予告編
ケヴィン・ベーコン主演映画『COP CAR/コップ・カー』での手腕を高く評価され、本作のメガホンを取ることになったワッツ監督。「正直言って、最も大変だったのはペースだった。僕の前の映画『COP CAR/コップ・カー』の撮影期間は18日だった。それに対し、これは80日。そんな長期間の撮影なんてしたことなかった。疲れて燃え尽きないように自分でペースを作らないといけなかった。撮影最終日でも初日のように、準備万端で、情熱的でいられるようにね」と撮影期間の長さにとまどったことを明かす。
もちろん予算の差は明白でその影響は大きかった。「超低予算のインディペンデント映画を作ることで一つ言えるのは、ものすごく準備をしないといけない、ということだ。『Cop Car/コップ・カー』で削除されたシーンはまったくないんだ。なぜって、削除シーンをやる余裕がなかったからだよ。とても明白なビジョンを持って、お金を使わないでそれを形に出来ないといけない。観客が観る映画は、僕らが撮影したそのままで、1フレームに至るまで準備しないといけなかった。一方で、大作ではどんなことでも出来る可能性がある。だから、ストーリーにとって正しいことは何か、ということにすごくフォーカス出来るんだ。最も興味深いことは何か? キャラクターにとって何が適切なのか? これまで見たことがないのはどういうことか? そういうことに気を配れるんだ」。
予算は十分にあっても、過去に2度の映画シリーズがあるスパイダーマンだけに、クリエイティブ面で苦労することもあったのではないかと思いきや、意外にもそうではなかったよう。「(これまでの『スパイダーマン』シリーズとの)大きな違いは、主演のトム・ホランドが若いことだ。僕らは彼をもっと若くしている。彼が演じたピーター・パーカーは15歳なんだ。その点において、新しいと思うし、僕らはそれを強調している。高校の時期を急いで通過させようとはしていないんだ」とこだわりを語る。「もう一つの大きな違いは、マーベル・シネマティック・ユニバースに入ったということだ。それは、完全にすべてのことを変えてしまう」と指摘しながら、それがプレッシャーになることもなかったそうだ。ワッツ監督は「僕らには、深く飛び込むことができるユニバースがあって、すぐに楽しみ始めることができる」ととってもポジティブ。これまでの『スパイダーマン』シリーズのように、オリジンストーリーを追う必要がないことに大いなる可能性を見出していた。
本作は、まるで部活のようなテンションでスパイダーマンとして活動していた15歳の高校生ピーター・パーカー(トム)が、ヒーローチーム“アベンジャーズ”の一員になることを目指して、奮闘するさまを活写する。(編集部・石神恵美子)
映画『スパイダーマン:ホームカミング』は8月11日全国公開