「ウォーキング・デッド」クリエイター、ゾンビ映画の父を追悼…説教エピソード告白
コミコン2017
現地時間21日、ゾンビパニックが発生したアメリカで生きる人々を描く海外ドラマ「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」のパネルディスカッションがアメリカ・サンディエゴで開催されているコミコン・インターナショナルで行われ、製作総指揮を務める特殊メイクアップアーティストのグレッグ・ニコテロが、先週、77歳で亡くなったゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督を追悼した。
メイクアップアーティストとしてキャリアを築き、ロメロ監督とも近しかったグレッグ。この日、「この場にいるみんなが、一人の偉大な男に借りがある。ジョージ・A・ロメロだ」と切り出すと、「この男がいなければ、僕らは誰一人としてこの場にいることはできなかっただろう」と感謝を述べた。
ホラー映画であっても、そこには必ず社会的メッセージが込められ、数多くの映画ファンから愛されたロメロ監督。グレッグも「彼はゾンビ黙示録を通して、僕らの住む世界で何が起こっているのかを伝えてくれた。そして何百もの(自分のような)特殊メイクアップアーティストに扉を開いたんだ」とその功績をたたえた。
また、その後に行われた「ウォーキング・デッド」のパネルでグレッグは、ロメロ監督との思い出に言及。2005年、ロメロ監督が発表した『ランド・オブ・ザ・デッド』のピッツバーグで行われたプレミアにグレッグは、クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲス、サイモン・ペッグ、エドガー・ライトと参加。タランティーノとロバートと共に『ゾンビ』を撮影したモンロービル・モールを訪れ、ゾンビ歩きをする写真を撮ったことを、プレミア前に行われた『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』の上映会でロメロ監督に報告したのだという。
しかし、ロメロ監督の反応はというと、「お前ら何やってんだ? もっと成長しろよ!」とあきれ顔だったのだとか。グレッグは「僕らとしたら『あんたわかってねーよ! 俺たちにとってあの映画は特別で、どうしてもロケ地には行かなきゃならなかったんだよ!』って感じですごく残念だったね。でも、ロメロが僕らにとても価値のある遺産を残してこれたことは間違いないよ」と笑顔で故人との思い出を振り返っていた。(編集部・入倉功一)