マーベル『ブラックパンサー』に傑作の予感?大興奮映像にコミコンファン総立ち!
コミコン2017
マーベル・スタジオの新ヒーローの活躍を描く『ブラックパンサー(原題) / Black Panther』のパネルデスカッションが現時間22日、アメリカ・サンディエゴで開催されたコミコン・インターナショナルで行われた。会場では、コミコンのために用意された特別フッテージが上映され、これまでのマーベル映画と全く違う雰囲気の映像と、スピーディーなアクションに、コミコンのファンからスタンディングオベーションが送られた。
ブラックパンサーは、アフリカの国家ワガンダの統治者であるティ・チャラが、同国で産出される架空金属ヴィヴラニウムを編み込んだスーツを身につけた姿。歴代のワガンダ統治者が受け継ぐ神聖な名前であり、本作では、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で父を失ったティ・チャラが、戦いを通して「どんな王になるのか」に向き合う姿が描かれる。
この日は、本作のメガホンを取った『クリード チャンプを継ぐ男』のライアン・クーグラー監督、主演のチャドウィック・ボーズマン、「ウォーキング・デッド」のミショーン役で知られるダナイ・グリラとオスカー女優のルピタ・ニョンゴ、フォレスト・ウィテカー、マイケル・B・ジョーダンらアフリカ系アメリカ人を代表する豪華俳優が集結。さらに『猿の惑星』のシーザー役などで知られるアンディ・サーキスも登壇した。
公開された映像は、豪華な吹き抜けの二階建てカジノを舞台に、ユリシーズ・クロー(サーキス)とCIAのロス捜査官(マーティン・フリーマン)による何らかの取り引きを、ティ・チャラと彼の仲間のオコイ(ダナイ)とナキア(ルピタ)が、カジノ客を装って監視しているシーン。取り引きを止めようとしたオコイが隠しスピアを取り出すところから、ノンストップのアクションが展開する。ヒョウのようなチャドウィックのしなやかなアクション、突如としてユリシーズの義手がレーザーガンに変形するシーンが登場するたび、客席からは驚きの声が上がる。
本編シーンの後は新たな予告編も上映。何らかのテクノロジーにより一瞬でスーツを着るティ・チャラや、ビルの壁を駆け上って走行する車の屋根に飛び移るブラックパンサー、さらにマイケルふんする宿敵キルモンガーが、ブラックパンサーそっくりの白いスーツに身を包み、彼に対峙(たいじ)するシーンまで登場した。
一級のスパイアクションのような演出と、痛快なブラックスプロイテーションムービーの魂を感じさせる映像に観客は大興奮。上映が終了すると同時に、コミコンの観客からは盛大なスタンディングオベーションが送られ、これまでのマーベル作品とはまた一味違った新ヒーローの誕生を予感させた。
「俺はベイエリアに住む一般的な黒人少年として育った」というクーグラー監督は、「人種にかかわらずX-MEN やスパイダーマンといったヒーローに夢中だったよ。でも成長するにつれ、俺と同じようなヒーローが見たいと思った。そんなときに『ブラックパンサー』をすすめられたんだ」と原作への思い入れを告白。「彼の強さは、周囲の人々や重ねてきた歴史、それにアフリカから来ているのが素晴らしいところだ」と社会的なテーマを内包した一本であることをにおわせた。(編集部・入倉功一)