窪田正孝、実写化映画の原作への愛と敬意「オリジナル超え難しい」
ドラマ「デスノート」での熱演も話題になり、今回は石田スイの超人気コミックを実写映画化した『東京喰種 トーキョーグール』に主演した俳優・窪田正孝。「オリジナルを超えるのは、どう考えても難しい」と語り、「(映画を観て)『原作を読んでみたい』と思ってもらえたら嬉しい」と願う窪田は、原作への強い愛と敬意にあふれていた。
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本作は人間を喰らうことでのみ生き永らえる怪人・喰種(グール)と人間との戦いが激しさを増す東京が舞台で、ダークでスタイリッシュな世界観はアニメ、舞台、ゲームとして広く伝播。日本はもちろん世界中でファンを獲得しており、期せずして“半喰種”となる主人公カネキを演じた窪田も「超面白い!」と原作を読んで一気にファンになった一人だ。
“半喰種”となったカネキが主人公で、人間が敵のように描かれるストーリーについても「逆転の発想で、そこがまた魅力的ですよね」と面白さを話し、「人間だって食べないと生きられないし、僕だって大食いでお肉が大好き(笑)。『人間って美化する生き物だなあ、醜いなあ』と真面目に考えていくと、さまざまなテーマが見つけられる」とその奥行きに心惹かれたようだ。
原作がある作品のキャラクターを演じることについて聞くと「どこかで原作をなぞってしまう部分はあるんです」という窪田。自身も原作のファンだからなのだろう、「やっぱりオリジナルを超えるのは、どう考えても難しいと思っているんです」と告白し、「誰もが頭の中で想像しながら原作を読むから、僕がカネキと聞いて『それは違う!』という人がいて当たり前です」と続けた。
そして窪田は「でもこれはあくまで映画版の『東京喰種 トーキョーグール』。映画で初めてこの物語に触れた方に『原作を読んでみたい』と思ってもらえたら嬉しいです」と本作に込めた願いについて明かした。
その願いは他でもない原作への愛情からくる想いのようで「多くの読者の方が原作を好きなように、僕も大好きです。実写化作品の出演者として『東京喰種 トーキョーグール』というブランドに関わる時間が多かったからこそ、原作への愛着はより深まったと思います」としみじみと振り返った。
オリジナルを超えることは難しいけれど、最上級の敬意を払い、映画が多くの人にとって原作に至る道筋になることを祈りながら演じる。この真摯な姿勢が窪田のやり方なのだろう。(取材・文/浅見祥子)
映画『東京喰種 トーキョーグール』は全国公開中