余命宣告を受けた大林宣彦監督の戦争映画が12・16公開
『時をかける少女』(1982)、『異人たちとの夏』(1988)などの巨匠・大林宣彦が約40年前に脚本を書き上げていたという映画『花筐/HANAGATAMI』が、12月16日より公開されることが決定した。大林監督は今年6月、昨年肺がん第4ステージで余命宣告を受けたことを明かしており、本作を「映画人生76年の集大成的作品」としていた。
【動画】大林宣彦監督×檀一雄原作『花筐/HANAGATAMI』予告編
本作は、檀一雄の小説「花筐」に基づき、1941年の佐賀県唐津市を舞台に戦禍を生きた若者たちの青春群像を描く物語。絢爛豪華なヤマと呼ばれる巨大な山車を曳き回す唐津の祭り「唐津くんち」の全面協力を得て製作された。
主人公・榊山俊彦に『その日のまえに』(2008)、『野のなななのか』(2013)などで大林監督と組んだ窪塚俊介、俊彦が憧れを抱くたくましい美少年・鵜飼に満島真之介、病に苦しむヒロイン・美那に若手女優の矢作穂香がふんするほか、常盤貴子、長塚圭史、柄本時生、山崎紘菜、門脇麦がメインキャストに集結。そのほか村田雄浩、武田鉄矢、入江若葉、南原清隆、小野ゆり子、岡本太陽、根岸季衣 、池畑慎之介、細山田隆人、白石加代子、大川竜之助、片岡鶴太郎、高嶋政宏、原雄次郎、品川徹、伊藤孝雄らが名を連ねている。
公開された予告編は、「唐津くんち」の模様からスタート。「これは、いつの時代にも存在する若き命たちの青春の純潔の物語である」というテロップが流れたのち、若者たちの恋、友情などいきいきとした青春模様から一転、戦争を巡る恐怖、混乱の様子へと切り替わり、ラストでは若者たちのキスシーンが次々と映し出される。
漫画家・森泉岳土がイラストを手掛けたポスタービジュアルには、キャスト8名をメインに「唐津くんち」の曳山が描かれ、背景には大林監督の本作への想いや檀一雄との交流がつづられている。(編集部・石井百合子)
映画『花筐/HANAGATAMI』は12月16日、有楽町スバル座ほか全国順次公開