ホイットニー・ヒューストンら輩出!伝説的音楽プロデューサーを描いたドキュメンタリー
音楽界の大物プロデューサー、クライヴ・デイヴィスを描いたドキュメンタリー映画『クライヴ・デイヴィス:ザ・サウンドトラック・オブ・アワ・ライヴス(原題) / Clive Davis: The Soundtrack of Our Lives』について、クリス・パーケル監督がE-mailインタビューに応じた。
本作は、10代で両親を亡くし結婚している姉と暮らし始めたクライヴが、ハーバード大学を卒業して1960年にコロムビア・レコードの顧問弁護士となるまでの過程や、その後コロムビア・レコードの社長、アリスタ・レコードやJレコードの設立を通して、バリー・マニロウ、ジャニス・ジョプリンさん、カーリー・サイモン、ホイットニー・ヒューストンさんらをいかにして輩出していったかを描いたドキュメンタリー映画。
クライヴの自叙伝「The Soundtrack of My Life」を基に構成されているが、パーケル監督は「クライヴの過去の映像の使用禁止がなく、どんな題材にも触れていいこと、それに彼の音楽関係者ならば誰とでも話せることが製作の上で重要な点だったよ。彼はとてもスマートで、自説を曲げない部分もあるけれど、彼の半生のどの時期にどの音楽を使用すべきかなどのアドバイスを僕にくれて、あらゆる面で協力的だったんだ」と話した。クライヴはホイットニーさんの死などについても映画内で語っている。
いかにしてアーティストへのインタビューや楽曲の著作権を得たのかについては「クライヴを題材にした映画なので、全てのアーティストが積極的に使用を許可してくれたよ。撮影前に、今作に関わってほしいと伝えたアーティストや音楽の関係者たちは、例外なくみんながすぐに関わってくれたんだ。それは、彼らがクライヴに対して愛着を感じているからで、彼らの人生においていかにクライヴが重要な役割を果たしてきたか理解しているからなんだ。今作では55におよぶインタビューがあるけれど、その全てがクライヴのキャリアと一致している内容だよ」と答え、今作では130近くもの楽曲が使用されていることも明かした。
音楽での成功の後、映画界やさまざまな分野で活躍するデヴィッド・ゲフィンと違い、唯一関わった長編映画はホイットニーさん主演の映画『ボディガード』だったというクライヴ。そんな彼のことをパーケル監督は「クライヴ自身は音楽以外にそれほど興味を持っておらず、音楽を愛し、情熱を注いでいたんだよ」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)