『ヘルボーイ』俳優が出演辞退、アジア系キャラへの配役に白人化と批判
リブート版『ヘルボーイ』でベンジャミン・デミオ役を務めると報じられていたエド・スクラインが同作から降板することが明らかになった。この配役をめぐっては、ベンジャミンが日系アメリカ人という設定であることから、ホワイトウォッシュ(白人以外の役柄に白人俳優が配役されること)だと批判が持ち上がっていた。
エドが配役されたベンジャミンは、超常現象捜査局で働く元海兵隊隊長。原作では第2次世界大戦中に政府に雇われた暗殺者だった日本人を祖母に持つ日系アメリカ人で、先日、出演決定を知らせたエドのTwitterには、「アジア系の同僚から役を奪う必要はないのでは?」などのコメントも寄せられていたという。
そんな中、現地時間28日にエドはTwitterを通じて声明を発表。オファーを受けた時点で、ベンジャミンが原作ではアジア系のキャラクターであることを知らなかったといい、発表後に巻き起こった論争に理解を示すと、「自分が正しいと思うことをするべきだと感じた」とつづった。
さらにエドは、「このキャラクターを、文化的に正確に表現することが非常に重要なことだというのは明らか。この責任を無視すれば、少数派人種の物語や声が芸術の世界から失われることへの懸念が続いてしまう」と続け「この役にふさわしい適切なキャストのため」に辞退を決めたと発表した。
この決定について、同作プロデューサーのローレンス・ゴードンとロイド・レヴィン、製作・配給のライオンズゲートとミレニアム・フィルムズは、Deadlineほか各メディアに向け声明を発表。「エドの私心無き決断を全面的に支持する」と表明すると同時に、今回の配役は民族性の問題を無視して決定したものではなかったと釈明。「より原作のキャラクターにそった俳優をキャスティングする」としている。エドは映画『デッドプール』に敵役エイジャックス役で出演している。(編集部・入倉功一)