反日か否かで議論も…アンジー監督作『アンブロークン』に続編 日本人将校役はMIYAVIから変更
アンジェリーナ・ジョリー監督作『不屈の男 アンブロークン』の続編『アンブロークン:パス・トゥ・リデンプション(原題) / Unbroken: Path to Redemption』の制作が始動。主人公の日本軍の捕虜となったオリンピックアスリートを精神的・肉体的に追い詰める役として登場した日本人・渡辺伍長役には、前作で演じたMIYAVIではなく、『リザとキツネと恋する死者たち』などのデヴィッド・サクライが決定したとDeadlineが報じた。
【映像】映画の内容を詳しく知る『不屈の男 アンブロークン』予告編
前作『不屈の男 アンブロークン』は、ベルリン・オリンピックに出場した陸上選手ルイ・ザンペリーニ氏が、第二次世界大戦での従軍中に飛行機の不時着で漂流した後、日本軍の捕虜となり、軍からの虐待に耐える様子が描かれた作品。その設定から2014年のアメリカ公開時に「反日映画なのでは?」と日本で議論の的にもなった作品だが、2016年には製作&配給会社の「戦争を描くいろいろな形の映画があるべき」という考えのもとで日本公開も行われた。
今回の続編でスポットが当てられるのは、前作で描かれなかったザンペリーニ氏が帰国した後の物語。前作では帰国後のザンペリーニ氏がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱え苦しんだことや、キリスト教に目覚め「復讐ではなく許す」ことを悟り、日本兵とも対面していたことなどはエンディングで流れる文章程度にとどめられていた。だがこれを観たザンペリーニ氏の息子などからは、原作の伝記小説で書かれていた同部分を映画でほぼカットしたことを問題視する声が上がっていた。
製作には前作に引き続き、マシュー・ベアが参加。また続編の監督はアンジェリーナではなく、映画『神は死んだのか』などのハロルド・クロンクが担当するとのこと。
ザンペリーニ氏はやっとの思いで祖国に戻ってからも、渡辺伍長の幻影に苦しみ悩んだことを明かしていたという。(編集部・井本早紀)