キルステン・ダンスト主演!注目ブランド“ロダルテ”のデザイナー姉妹が脚本・監督デビュー
ファッションブランド「ロダルテ」のデザイナー、ケイト&ローラ・マレヴィ姉妹が映画界への進出を果たした話題作『ウッドショック(原題) / Woodshock』について、主演のキルステン・ダンストが、9月13日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
医療マリファナの薬剤師テレサ(キルステン)は、母の死で喪に服していたが、その悲しみを癒やそうと麻薬に溺れる。ボーイフレンドのニック(ジョー・コール)や友人キース(ピルー・アスベック)らのアドバイスを無視し、いつしか幻覚と現実の境目がわからなくなった彼女は、夢遊病のように森を放浪し始める。マレヴィ姉妹が脚本・監督を務めた。
今作は解釈が難解で、観客はテレサの表情や仕草から読み取る設定になっているが、女優としてどのように演じたのだろうか。キルステンは「これまでわたしが演じてきたどの役柄よりも長く、キャラクターになりきっていた気がするわ。きっとそれは、ケイトとローラが長年の友人であったからだと思うの。感情を表現する上で、彼女たちが友人であったことからセーフティーネットを与えられた気がするし、お互いに(映画の本質の)深淵に入り込むことができて、これまでわたしが経験したことのないものになったわ」と語る。また、彼女は幻想的な世界と現実の世界を書き分けたノートを持参していたことも明かした。
普段、演じる際に行う準備について「無意識に(役柄の)あらゆる情報を収集して、実際にセットを訪れたときは、他の誰よりも自分が演じる役柄を理解した状態で参加するの。そんな仕事のやり方が気に入っているわ。それは他の誰よりも、自分のためにやっている感じね」と話す。今作で最も困難だったシーンを聞かれると「テレサがキースの前でドアを蹴って閉めるシーンがあるの。一度だけ撮影した後、わたしはローラの方を向いて、(感情的になり)葉っぱのように震えながら『もう一度は、できないわ』と伝えたの。セット自体は静かだったけれど、俳優の演技は感情的なものだったのよ」と答えた。
テレサの家や森、その他のロケーションなどで撮影され、全体的に幻想的な印象を作り出した本作。二人の女性監督の演出についてキルステンは「今作は、男性(監督)の観点から描くことはできなかったと思うわ。それくらい、完全にケイトとローラのものよ」と締めた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)