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凄腕クリエイター、『猿の惑星』新作の裏側明かす

樋口真嗣監督、ダン・レモン、佐藤敦紀
樋口真嗣監督、ダン・レモン、佐藤敦紀

 1968年公開の傑作SF映画『猿の惑星』の起源に迫る新シリーズの最終章『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』のVFXスーパーバイザーを務めるダン・レモンが来日、同作で高く評価されている猿のリアルな動きについて解説した。この日は『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督、同作のVFXスーパーバイザーを担当した佐藤敦紀も来場、クリエイターの立場から数々の質問を投げかけた。

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 『アバター』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』など数多くの作品に参加してきたダンは、ジョン・ファヴロー監督の『ジャングル・ブック』でアカデミー賞視覚効果賞を獲得した気鋭のクリエイター。本シリーズでも、新3部作のすべてに参加しており、『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』『猿の惑星:新世紀(ライジング) 』でも同賞にノミネートされている。

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 役者の動きをコンピューターで読み込んでCG制作の下地とするパフォーマンス・キャプチャーを導入し、猿の感情がビビッドに伝わる視覚効果を実現して高い評価を受けてきた本シリーズ。「猿の動きに人間っぽさを取り入れたいと思った」というダンは、「大切なのは、演技を通じてキャラクターの感情がしっかりと伝わること。真実味があって、嘘っぽいものを見せられていると思わせないようにすることが大事」とコメント。最初にこの技術を導入したときは首をかしげる役者もいたというが、「とにかく彼らと話し合ったのは、テクノロジーの面は我々を信じて任せてほしいということ。役者としていつも通りに演じてくださいと伝えた」と振り返った。

 本作の主人公シーザーを演じたのはアンディ・サーキス。過酷な運命に翻弄(ほんろう)されながら、苦悩と葛藤を抱える彼の芝居は圧巻である。ダンも「アンディは七変化の役者だ。(映画によって)まったく違う役を見事にこなすことができるし、そこに信ぴょう性を持たせることができる」と褒めたたえ、「デジタルだけでは限界がある。この映画でVFXが評価されているのは、役者や監督のやってきたことがベースとしてあるからだ。アカデミー会員も彼の芝居が映画に貢献しているということをもっと評価してほしい」と続けた。「VFXの技術が進化すると将来役者はいらなくなるのでは?」という意見が飛び出しそうだが、そんな声についてもダンは「ノー。役者は絶対に必要なんだ」と否定した。

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 その後も「CGでは毛糸の表現はタブー」といわれる中、本作でニット帽のCG表現にチャレンジした話や、従来は屋内のスタジオで行われるパフォーマンス・キャプチャーを屋外で実施するなど、本シリーズで敢行した新たなチャレンジについて解説するダン。「フィルムメーカーが要望する映像を実現する際にどんなツールが必要なのかがわからない時ほど、どうやってそれを乗り越えるかを考えなくてはならない。そんな時ほどわれわれは燃えるんだ」と笑顔を見せていた。(取材・文:壬生智裕)

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』は10月13日より全国公開

赤ちゃんシーザー誕生から蜂起までを復習!『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』特別映像 » 動画の詳細
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