実写『鋼の錬金術師』アルの声は、新人俳優・水石亜飛夢!“代役”からの大抜てき
アニメ化もされた世界的人気コミックを実写映画化する『鋼の錬金術師』(12月1日公開)で、主人公エドの弟・アルの声優に新人俳優の水石亜飛夢(21)が抜てきされたことが明らかになった。もともとフルCGで描かれるアルの“代役”こと「スタンドイン」として、本作に関わっていた水石。曽利文彦監督は当初、アルの声には水石とは異なる俳優を選ぶことを検討していたが、撮影が進むにつれ水石をアル役に起用することを決意したという。
アルは劇中で、人体錬成という禁忌を兄・エドと行ったことで肉体を失い、魂だけが鎧に定着した存在としてフルCGで描かれている。そのため映画では、エド役の山田涼介のように演じている俳優の姿がそのままスクリーンで見られる……というわけではなく、“CGの鎧のアル”に声をあてるという方法で、映画版のアルはスクリーン上のキャラクターとして完成する。
水石が行っていた今作での「スタンドイン」は、撮影の際に“仮のアル”としてエド役の山田と演技を交わし、CGの動きの参考となるモーションキャプチャーも務めるという役割だったよう。そのスタンドインオーディションでさえも、100名を超える応募者が殺到。そんな中でさらに声優の座も獲得した水石について、曽利監督は「今回の大抜てきは、水石くんが実力で勝ち取ったものです」と振り返る。
「撮影前はCGアルの声優は水石くんではなく、別の方をイメージしていました。ただ撮影が進むにつれ、彼のスタンドインとしての演技があまりに素晴らしく、特に兄弟喧嘩のシーンを撮影したとき、山田くんと水石くんの絶妙なコンビネーションを見て、アルの声優は水石くんで行こうと決めました」(曽利監督)。
またテレビアニメ版でアルの声優だった釘宮理恵も、水石版アルをすでに確認済みだという。監督は「釘宮さんが実写映画をご覧になり、映画はもちろん、水石アルを大絶賛してくださったので、水石くんと一緒に飛び上がるほど喜び、わたしたちの判断が間違っていなかったことを確信しました」とも述べていた。
原作者の荒川弘も、「エドとアルの二人の兄弟がそこにいました。胸を打つ素晴らしい演技でした」と太鼓判。さらに水石に対して、「撮影中はアルの代役という立場でありながら、山田さんとの掛け合いがとても素晴らしいかったことから起用に繋がった。まさにアメリカンドリームのようなストーリーです。青年に成長したアルは、きっとこんな声になるんだろうなって思います」と絶賛するコメントを寄せている。
水石はミュージカル「テニスの王子様2nd season」柳蓮二役で2012年に俳優デビュー。ドラマ「牙狼<GARO> ~魔戒ノ花~」では準主役を務めたほか、映画『コープスパーティー Book of Shadows』『武曲 MUKOKU』などに出演している。(編集部・井本早紀)