ウィレム・デフォー、全編iPhone撮影映画の監督とタッグ!
演技派俳優ウィレム・デフォーが、新作『ザ・フロリダ・プロジェクト(原題) / The Florida Project』について10月2日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
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本作は、フロリダのディズニーワールドの外れにあるモーテルで暮らす破天荒な6歳の少女ムーニー(ブルックリン・プリンス)と、犯罪歴のある母親ヘイリー(ブリア・ヴィナイト)のひと夏の体験を描いたもの。ウィレムはモーテルの管理人ボビーを演じ、全編iPhoneで撮影した映画『タンジェリン』で注目されたショーン・ベイカーが監督を務めた。
ベイカー監督の手法に慣れるよう努めたというウィレムは「彼は俳優だけでなく、普通のストリートに居る人々をそのままキャスティングしたんだ。母親ヘイリー役のブリアはベイカー監督がInstagramで発掘した人物で、素晴らしい演技をしているよ。実際の撮影場所に住んでいる人々や若手から年配まで幅広く俳優を雇うことで、彼が(演技を)活性化させているのが理解できたね。さらに、実際に営業しているモーテルで撮影したことで、モーテル自体も重要なキャラクターになったんだ。僕はそのモーテルの管理人なんだけど、そういったリアリティーが伝えるべきストーリーにさまざまな情報を提供しているんだ」と語った。観客は俳優未経験のキャスト陣に自身を重ね合わせ、リアルな人々を鑑賞している感覚になる。
モーテルの実際の居住者については「定住する家を持てない人たちが一時期このモーテルに住んでいるんだけど、中には1年以上住んでいる人もいて、家族が一つの部屋に暮らしているんだ。金融危機や住宅危機があって人々が賃貸で住むことができず、敷金も払えず、格安のツーリスト用のモーテルに住んでいる。映画内では、ディズニーワールドという世界中に知られているテーマパークと、特別な人たちの居住区(モーテル)を並べて描いている点が興味深いね」と述べた。
自身が演じたボビーというキャラクターについては「彼は、管理人として多くの役割をこなしているんだ。モーテルに住んでいる子供たちの代理の父親のようでもあり、無秩序な状態のモーテルを仕切る警察官のようでもある。そして、モーテルの宿泊代(家賃)の取り立てで居住者をつけ回すような集金屋でもあるんだ。さまざまなモーテルの居住者に異なった方法で対応するけれど、ボビーにとって彼ら居住者は自分と同じなんだ。ボビー自身もそのモーテルに住んでいるからね」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)