蒼井優、自分は美人じゃない？「ほどよい顔」とアピール
女優の蒼井優が17日、都内で行われた『彼女がその名を知らない鳥たち』公開記念トークイベントに光浦靖子と出席。原作のファンだという光浦は本作で北原十和子を演じる蒼井を、「美人」と表現。これに対し蒼井は「女優という仕事していると（女優を）きれいと言わなきゃいけない空気があるけど……」と美人と持ち上げられることが苦手である様子で、「（自分では）ほどよい顔だと思っています」と恥ずかしそうにコメントし会場を沸かせていた。
沼田まほかるの人気小説を実写映画化し、同居する相手の稼ぎに依存しながらも彼を嫌い、家庭のある別の男性とも関係を持つ身勝手な女と、彼女に執着するさえない中年男の関係を描く本作。壇上には共演の阿部サダヲ、メガホンをとった白石和彌監督のほか、原作の大ファンだという光浦も登壇。
「正直に面白かったのと原作の通りだったのと、十和子って実はきれいだったんだって」と本作の感想を語った光浦。また「確かに十和子は美人じゃないとつじつまが合わないなってことにあらためて気付きました。容姿については原作にはほぼ書かれていなくて、謎が解けたような気分でした」と感想をしみじみ。
一方で美人と役を通して遠回しに表現された蒼井は「ほどよい顔だと思うんです。こういう顔は芸能界にいそうでいない。そういう意味でもほどよい感じの……」と反論。美人と祭り上げられることは苦手なよう。
トークでは本作のラストシーンも話題となり、光浦はどのようにも解釈できる物語の終わり方に「わたしはアンハッピーエンドだと思いました。光が見えそうでいて、見えていないのカウントじゃないかなって」と持論を展開。蒼井もラストシーンについては印象的だったそうで、「個人的にもあのラストについては考えることが多くて。日によっては美しい、すごいものを見たって。爽快ではないけど、突き抜けられる感じがある、でも、突き落とされる感じも日によってはあって、一緒に見た相手によっても受け取り方が変わってしまう」とコメント。「一人で観にいくと悶々とすると思うのでぜひお友達と観にいってほしい」と呼び掛けていた。（取材・文：名鹿祥史）
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』は10月28日より新宿バルト9ほか全国公開