『ボーダーライン』続編さらに非情で大規模に!ジョシュ・ブローリン語る
エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ主演で麻薬戦争を描いた映画『ボーダーライン』の続編『ソルダード(原題) / Soldado』は、「より無常で、よりスケールの大きな作品になる」という。前作から続投するジョシュ・ブローリンがColliderに語った。
前作『ボーダーライン』は、『灼熱の魂』『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、アメリカとメキシコの国境で巻き起こる麻薬戦争の闇を衝撃的かつリアルに描いたアクション。続編ではジョシュとベニチオが再演、『メッセージ』『ブレードランナー 2049』で多忙のヴィルヌーヴ監督に代わって、イタリア人監督ステファノ・ソッリマがメガホンを取り、前作のテイラー・シェリダンが脚本を再び執筆した。
ジョシュは続編について「より非情になっているね。すべてにおいてね。キャラクターはさらに冷徹になり、映画もさらに無慈悲になっている。スケールも大きく、より広範囲にわたる映画になっているよ。(続編を)観たとき、『ボーダーライン』が小さな映画のように感じたよ。とても入り組んでいるにもかかわらずね。僕はいつも言ってるけど、なんで大規模な映画になると、こういう奥深い作品にできなくなるのかって。なぜ(大規模な作品は)感情的でなくなるのか。『ソルダード(原題)』がいい例だと思う。この上なくエモーショナルなんだ。緊張感に溢れながら、同じような主題を扱っている」と気に入った様子だった。
ジョシュは「『ボーダーライン』を観たとき、『これはマジで良い映画だ』と僕は言ったんだ。映画を撮り終えたときには、まあ大丈夫だろうくらいの気持ちだったんだけど。ドゥニの映画も観ていたし、彼が素晴らしい監督だということも知っていたから。でも、意図したことがどうであれ、誰もが完璧なわけでなく、誰もが良い映画をつくれるわけではない。だから『ボーダーライン』を観たとき、何が起こったのか理解できなかった。『僕らは良い映画を完成させたけど、どうして僕はその過程を覚えていないんだ?』っていう感じだった」とも振り返る。
そんな本シリーズの完成度の高さは、脚本家テイラーの手腕によるものだと称えるジョシュ。「(『ソルダード(原題)』でも)同じように感じていて、それはたぶんテイラー・シェリダンの脚本のおかげなのかなと。彼の脚本はある程度までめちゃくちゃにしても、良い映画ができる。全ては脚本から始まっているわけだからね。そこそこの脚本の場合、まともになるように手を加え続けるわけだ。素晴らしい脚本の場合は、その脚本の真価を証明するだけだ。それこそが、彼の脚本で僕たちが経験したことだと思う」。テイラーは『ボーダーライン』で高く評価されたほか、『最後の追跡』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされた今注目の脚本家の一人だ。続編は2018年6月29日全米公開予定。(編集部・石神恵美子)