染谷将太、「真の美」探す巨匠チェン・カイコー監督に感銘
第30回東京国際映画祭
俳優の染谷将太が25日、都内で開催中の第30回東京国際映画祭にて行われた主演映画『空海-KU-KAI-』(2018年2月公開)のフッテージ一般上映&舞台あいさつに出席。本作で中国の巨匠チェン・カイコー監督の演出を受けたが、「とても大胆でかつ繊細な方」とその印象に触れ、「ずっと真の美とは何かをこの映画を通じて見つけたいと仰っていて、自分はそれをとても素敵な言葉だと思いました。監督についていきたいと思いました」と感慨深げな表情を見せた。
人気作家・夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を映画化し、『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』のカイコー監督がメガホンを取った本作は、8世紀、中国・唐の時代を舞台に、日本から遣唐使としてやってきた若き僧侶・空海(染谷)が、詩人・白楽天(ホアン・シュアン)と共に、首都・長安を揺るがす巨大な謎に迫る姿を描く。舞台あいさつには染谷とホアンのほか、シン・ポーチン、松坂慶子、阿部寛ら出演者が登壇。
染谷は壇上で「この作品を背負ってここに立てていることを光栄に思います」と嬉しそうな表情。「本当に美しく本当に壮大で、壮大なのは映像だけでなくストーリーも。みなさんに浸ってほしいです。自分も早く完成したものを観たいです」としみじみと明かす。
シュアンとは撮影中5か月間も一緒にいたというが、「染谷さんとは5か月間ずっと一緒にいて、彼のプロフェショナルなところに感銘を受けました。彼のセリフは全部中国語だったのに、ずっと勉強をしながらやっていたんだなと思うと尊敬します」とシュアンに声を掛けられると、染谷も思わず笑顔。
阿部は安倍仲麻呂役を熱演。「(仲麻呂への)尊敬心を持って演じさせていただきました」と述べると、カイコー監督についてやはり感銘を受けた様子。「最初に現場に行った時はとにかく身の引き締まる思いでした。監督はやっぱり恐いんだなって。作品に対するこだわりもすごくて、何カットも何カットも撮るんです。妥協という言葉はこの監督にはないんだなと思いました」と紹介。
「エキストラの人も500人くらい参加したんですが、その端から端まで監督の思いが詰まっている。素晴らしい監督と仕事をさせてもらったなって」とコメント。松坂も長年、カイコー監督に憧れを持っていたと明かすと、「スケールの大きい方で、立派。でも繊細。暑い日があったんですけど、暑くて大変だったらすぐ仰ってくださいって。優しい、どの方にも配慮をしてくれる方なんだなって思いました」とその人柄に触れていた。(取材・文:名鹿祥史)
第30回東京国際映画祭は11月3日までTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか各会場で開催