西島秀俊&宮崎あおい、仲良しの秘訣は絵しりとり!
『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』(公開中)で国命を受けて幻のメニュー開発に挑む料理人・山形直太朗とその妻・千鶴を演じた西島秀俊と宮崎あおい。2人は10年以上前にNHKの朝ドラ「純情きらり」で共演した仲。今回もその時の撮影現場と同様に待ち時間は絵しりとりをして過ごし、和やかな空気で撮影を乗り切ったという。(※宮崎の「崎」は正式には「大」が「立」)
「大人の女性に対して失礼だとは思っていても、あおいちゃんにはつい『お前、何すてんだ?』って東北訛りで話しかけちゃうんですよ」と西島。朝ドラでは青森県出身の画家を演じていた。昔からの知り合いだけにまるで親戚のように打ち解けている宮崎も「西島さんが力の抜けている方だから変に気負わず、自分も自然体でいることができます」とにっこり。続けて「西島さんは画家の役だったのに天才的に絵が下手なんです」と西島の秘密をぽろり。
朝ドラの撮影現場では絵しりとりが流行ったそうだが、西島の絵は彼自身によれば「味があるとかを通り越して何を描いているかわからない」代物だったそう。あまりの出来にTシャツが作られたほどだったらしい。
今回の現場でもその絵しりとりが復活。直太朗の料理アシスタント役だった西畑大吾や兼松若人も加えた4人で楽しんだそうだ。「天才ピアニスト、天才画家、天才料理人……いろいろやってきましたが、料理もできず、ピアノも弾けず、絵も描けません」と本作のために料理を猛特訓した西島は自嘲気味に語った。
なんでも話せる仲の2人だが、意外なことに今回のインタビューで10年ぶりに発覚した事実もあった。以前、写真集の撮影のためにインドを訪れていた宮崎。そこに上下白の民族衣装を着て突然現れたのが、インドに滞在して1か月ほど経っていた西島だった。
「宮崎さんがそちらに行くからってマネージャーさんが連絡を取ってくれたのですが、あまりにも汚い格好だったから慌ててその辺で服を買って間に合わせたんですよ」と西島が懐かしそうに振り返ると「えっ! あれ偶然じゃなかったんですか」と宮崎はきょとん。これには西島も驚いて「いままでそんな風に思ってたの? 約束もしてないのに民族衣装を着た僕が『お~い』なんて現れたら怖いでしょ。しかもインドで」と10年ぶりに誤解が解けたことにホッと胸をなでおろしているようだった。
劇中では白は白でもまぶしいほどのコックコートをビシッと着こなして「天才料理人」にふんした西島。宮崎と長年かけて築き上げた関係を生かし、夫唱婦随(ふしょうふずい)の息の合った夫婦像を披露している。(取材・文/高山亜紀)