故デニス・ホッパー、40年来の親友が語る真の姿とは?
故デニス・ホッパーさんを題材にしたドキュメンタリー映画『アロング・フォー・ザ・ライド(原題) / Along for the Ride』についてニック・エベリング監督が、11月2日(現地時間)ニューヨークのPR会社PMKで単独インタビューに応じた。
本作は、デニスさんが監督・脚本・俳優として携わった『イージー・ライダー』の成功後に手掛けた意欲作『ラストムービー』の制作過程と、彼の友人サタヤ・デラ・マニトゥさんとの40年間にわたる関係を中心に描いたもの。デニスさんが本当に親しかった友人へのインタビューを通して、真のアーティストとしての彼の姿を映し出していく。
通常のドキュメンタリー映画とは一線を画している本作について、エベリング監督は、「一般的なハリウッド俳優とは異なるデニスを描く上で、どのようなアプローチをしたら良いか考えた際に、型にはまっていないドキュメンタリー映画のアプローチをしなければならないと思ったんだ。なぜなら、彼は俳優や監督としてだけでなく、芸術作品の収集家として、さまざまな文化にも革新的な影響を与えてきたからね。デニス自身が秀作『イージー・ライダー』を手掛けたように、僕も本作を作りたかったんだ」と語った。
デニスさんの長年の友人サタヤさんとの出会いについては、「僕がまだ俳優をしていた20年前にさかのぼるんだ。僕は子供の頃に『ブルーベルベット』を観て、デニスは俳優として天才だと思ったんだ。自分が俳優になってからも、あんな映画に出演したいと思っていたよ。そんなある日、両親に同行したロサンゼルスの競馬場で、ある部屋の中央にデニスが立っていたんだ。そこで彼と握手してファンであることを伝えたんだけど、その時に彼と居たのがサタヤだったんだ」と明かした。その後デニスさんが亡くなった時に、友人からサタヤさんに会うことを勧められたのが、今作の制作のきっかけになったそうだ。
エベリング監督いわく、「セレブは一般の人がやっていることができなかったりするもの」だそうだが、デニスさんの場合、電話やE-mail、手紙などの返答をしなかったため、サタヤさんがそれらの対応をしていたそうだ。「セレブは家を出たらすぐに人に囲まれたりする。だから、一般の人とも距離を置くようになるし、ハリウッドでは孤独な人たちが多いんだ。でも彼らには、とても信頼の置ける2、3人の仲間がいて、友人として彼らの日常を手助けしてくれるんだ。デニスにとってサタヤはそんな人物だったんだよ」と彼らの関係を説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)