韓国・悲劇の事件を伝えたドイツ人記者と平凡な市民…『タクシー運転手』公開決定
多くの市民が犠牲となった韓国の悲劇的な事件“光州事件”を題材にした映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』が2018年4月21日に日本公開されることが決定し、感動的な特報映像が公開された。
『タクシー運転手』は、韓国で1,200万人以上を動員し、本年度アカデミー賞外国語映画賞の代表にも選ばれた大ヒット作。1980年5月18日、韓国・光州市において、韓国軍と民主化を求める学生デモが衝突し、10日間にわたり多くの死者・行方不明者を出した光州事件。映画は、この動乱のなか軍事独裁政権の物々しい言論統制をくぐり抜けて現地を取材し、世界に事件を伝えたドイツ人記者の故ウィルゲン・ヒンツペーター氏と、彼を乗せて光州に入った平凡なタクシー運転手の故キム・サボク氏の実話がベースの人間ドラマで、中国では「天安門事件」を連想させるという理由から上映禁止になったことが各メディアで報じられた。
11歳の娘を一人で育てるタクシー運転手マンソプを演じるのは、『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』など数々の名作に出演する名優ソン・ガンホ。ドイツ人記者ピーター役は、母国ドイツのほか『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』などハリウッド大作でも活躍するトーマス・クレッチマンが務める。ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨルらが出演。『映画は映画だ』『高地戦』のチャン・フン監督がメガホンを取った。
公開されたビジュアルでは、1980年代を思い出すようなマンソプの笑顔が印象的。また特報映像では、当時のソウルの風景をバックに、大金目当てにピーターを乗せるマンソプのコミカルな姿から、2人が到着した空にはヘリコプターが飛び、デモ隊が道をふさぐ光州で、目をうるませたマンソプが「お客さんを連れて帰らないと」と訴えながら涙を流す姿も。時に残虐な出来事も描かれる一方で、彼らの旅路とそれを取り巻く人々の物語をコミカルかつシリアスに描き出した、感動のドラマを予感させる。(編集部・入倉功一)