津波から奇跡の生還モデル、被災者支援の新チャリティー団体を設立
スマトラ島沖地震による津波から奇跡的に生還したスーパーモデル、ペトラ・ネムコヴァが、自然災害の被災者への救援や復興を支援するチャリティー団体「オール・ハンズ・アンド・ハーツ」について、11月14日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
「オール・ハンズ・アンド・ハーツ」は、2004年12月26日のスマトラ島沖地震による津波に襲われて、当時婚約者だった写真家サイモン・アトリーさんを亡くし、自身は木につかまり奇跡的に生還したスーパーモデルのペトラが、非営利団体「オール・ハンズ・ボランティアズ」の設立者デヴィッド・キャンベルとタッグを組んで立ち上げた団体。毎年起こる自然災害の被災者への救援や復興を目指している。
スマトラ島沖地震から生還したペトラは「あの地震で約23万人が亡くなったのだけど、あの時の体験があらゆることへの対処と、その後のわたしを目覚めさせてくれたわ。骨盤を骨折し、パートナーを失ったけれど、神が生かしてくれたことは幸運だったと思うの。わたしには帰る家があり、両親も居たから……。でもインドネシア、スリランカ、タイ、インドの人々は、(日常の)生活、学校、愛する人など全てを失ったのよ」と当時を振り返った。
その後、自身が被災したタイに戻ったペトラは、被災者に何が必要で、どうしたら彼らに影響を与えることができるかを考えたという。「まず、コミュニティーの人々と話しながら、彼らの避難所や臨時の学校を訪れたの。その時、災害の初期対応者が去った後、子供や彼らの家族は忘れ去られてしまうことに気づいたのよ。実際に、自然災害の後はそれと似たパターンが繰り返されていて、場所によっては、4~6年もかけてようやく、あまり安全でもない学校が建てられたりするの。そんな状態を、わたしは受け入れることができなかったわ」と語った。
ペトラはその時の想いから2010年に被災者を支援する「ハッピー・ハーツ・ファンド」を立ち上げ、今回新たに、2005年に「オール・ハンズ・ボランティアズ」を立ち上げていたデヴィッド・キャンベルと組んで、「オール・ハンズ・アンド・ハーツ」を設立。学校建設に携わっていくことにしたという。
今年の3月に起こったペルーの大洪水では、復興支援をしながら学校建設を行ったそうだ。「ペルーの大洪水の後、最初の学校は災害に遭ってから約7か月で建てたの。大洪水後は緊急事態であるため4~5週間はその土地に何も建てることができないし、政府からの建設の許可や書類のサインを経て、実際の建設自体は3か月くらいだったわね。先週の金曜日に開校したわ」と満足した様子で明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)