アル・ゴア元米副大統領を動かすパワーの源
元アメリカ合衆国副大統領のアル・ゴア氏が地球環境問題について伝えてアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞に輝いた『不都合な真実』(2007)の続編、『不都合な真実2:放置された地球』が日本で公開されている。11月、同作のプロモーションで来日していたゴア氏が都内でインタビューに応じ、自身を突き動かすパワーの源について語った。
【映像】世界の現状が次々に…映画『不都合な真実2:放置された地球』予告編
ドキュメンタリー映画史上に残る大ヒットを記録した前作の公開から約10年が経過し、さらに深刻な危機を迎えてしまった地球の姿を突きつける本作。2007年には、その功績が認められてノーベル平和賞を受賞しているゴア氏が、必死の形相で、時に声を荒げながら人類が向き合うべき環境問題について訴えている姿が映し出される。
新作の中でも紹介されているのだが、世界中を飛び回って精力的に活動するゴア氏は本当にパワフル。ゴア氏は「今の自分がやっていることが本当に光栄で、名誉なもの」と感じているそうだ。「自分が持っている全てのエネルギーをつぎ込むことがある。そして、それが自分がやらなければいけないことだという強い信念を持っている」から疲れを感じることがないのだという。
「この仕事をすればするほどエネルギーが湧いてきます」と力強い笑顔を見せていたゴア氏。前回に引き続き、自身の考えを発信するツールとして長編ドキュメンタリー映画という方法を選んだことについては、「ソーシャルメディアなどによって様々な形で情報が提供される時代だからこそ、今はドキュメンタリー映画の黄金時代なのではないかと思っているんです」と説明。「現代において映画というのが唯一、公共の場所で人々が同じ空間に座り、一定の時間の中に丁寧に作り上げられたストーリーを享受できるメディアだと思います」と続けた。
インタビューの最後には「頭の中の僕は、まだ髪が黒くて、若くて、かっこよくて、やせているんだよ」と笑っていたゴア氏。この日も分刻みのスケジュールで多くのメディアからのインタビューをこなしていたが、取材陣の前で疲れた様子はおくびにも出さず、幅広い知識でひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれた。(編集部・海江田宗)
『不都合な真実2:放置された地球』は全国公開中