約18キロ増量!デンゼル・ワシントン、徹底した役作りでイケてない弁護士に
デンゼル・ワシントンが主演を務めた『ローマン・J・イスラエル・エスク(原題) / Roman J. Israel, Esq.』について、ダン・ギルロイ監督と女優カーメン・イジョゴが、11月20日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
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長年、法律事務所で裏方の仕事をしてきた見た目のさえない弁護士ローマン(デンゼル)は、事務所代表でもあったパートナーが倒れ、一人で全ての仕事を追うことになる。ある日、利益を追求する弁護士事務所の敏腕弁護士に雇われ、殺人事件を担当することになるが、その裁判で不正が行われていると知ったことから、大きな問題が発生していく。カーメンは法律に関する非営利団体の活動家で、ローマンと恋仲になるマヤを演じ、『ナイトクローラー』のギルロイ監督がメガホンを取った。
刑事司法制度を題材にした映画を手掛けたかったというギルロイ監督。その理由について、「『ナイトクローラー』と同様に、エンターテインメント性があり、観客を夢中にさせ、さらに独自の世界観を描けるような映画を再び作りたかったんだ。僕が覚えている1960年代には公民権運動、女性の権利運動、戦争反対運動など行動主義の精神があったけど、あれから40~50年以上が経過して、その精神が全くなくなってきたように思えるんだ。もちろん、人それぞれの人生があって、その精神を持たない人たちを否定することはできない。でも、そんな1960年代の精神を持ったまま、いまだにその精神で行動していた人たちが、現代ではどんな状況下に置かれているのか知りたかったんだ。実際に調べてみると、かつて公民権法に関わり、今は刑事司法で家計を養っているという人が多かったよ。ローマンのキャラクターはそこからできあがっていったんだ」と答えた。
活動家のマヤの役作りについてカーメンは、「『グローリー/明日への行進』の時に、若い活動家やローマンの時代に活動していた活動家にも会っていたの。そのリサーチが今作でも役に立ったわ。それにわたしも刑事司法制度の改正などについては、以前から気になっていたの」と話す。マヤの性格ついては「常に、自分の周りの人とつながっていて、同情的で、ピュアな人生を生きようとしている。個人的に共感の持てるキャラクターだったわ」と思い入れのあるキャラクターであることを明かした。
ローマンのキャラクターについては、「社交的でなく、弁護士としても前に立って裁判を進めていくような人物ではないことは、脚本に記していたんだ。けれど、その他のローマンの特質は、ほとんどデンゼルが考えてくれたんだ」とギルロイ監督。「彼はこのキャラクターのために40ポンド(約18kg)も体重を増やし、メガネ、衣服、イヤホン、そしてバーガンディ(暗い赤色)のスーツまで選んでくれた。他にも、ピーナッツバターのサンドイッチをキッチンシンクの横に置いたり、わざと2サイズ大きめの靴を履いて、特徴のある歩き方にしたり……。メガネなんてレンズが厚過ぎて、かけている時は実際に前がよく見えていないくらいだったんだ」とデンゼルの徹底した役作りを明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)