94歳マーベル巨匠スタン・リーが再来日!スパイダーマン誕生秘話語る
12月1日から開催される「東京コミコン2017」の名誉親善大使であるアメコミ界のレジェンド、スタン・リーが30日、日本外国特派員協会で行われた記者発表会に出席した。94歳にして、なお精力的に活動する現状についてリーは「まもなく95歳になりますが、欲望を持つこと、そして忙しくすることがいい薬になります。毎日、疲れを考える暇がないぐらい仕事をすることが元気でいる秘訣」と笑顔で語った。
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マーベルの名誉会長を務め、『スパイダーマン』や『X-MEN』の原作者として、アメリカのコミック界に多大なる功績を残してきたリー。昨年に続き、2年連続で「東京コミコン」に赴くが「ファンのみなさんにお会いできることがすごく楽しみなんです」と笑顔を見せると、昨晩はゲームセンターで「マリオカート」を楽しんだというエピソードを明かし、記者たちを驚かせた。
これまで数々の作品を世に送り出してきたが、「スパイダーマン」の発想は最初、当時の編集長からダメ出しされたという。「キャラクターを成功させるためには、いままでと違うものにする必要があると考えていました。そこで壁に止まっていたハエから連想していき、想像力を広げてスパイダーマンというキャラクターを考えた。しかもこれまで大人だったヒーローを10代に設定したんです。しかし、アイデアを出版社に持ち込んだら、『これまでのヒーローとはまったく違う。最悪だ』と言われたんです」と振り返る。
しかし、結果的にスパイダーマンは世界的に人気を博すキャラクターになった。リーは「失敗しないという考えを覆すのはとても大変なこと。昔はヒットしているものを踏襲することが大切だと思われていましたが、いまは誰もみたことがないようなものが求められる」と時代の変化を語ると「大切なのは自分が面白いと思う感覚。自分の感覚を信じて取り組めば、賛同者は現われると思います」と作り手としての信念を明かした。
また、時代とともに新しいメディアが登場している現状だが「アメリカにおいて、映画やその他メディア展開で、いままで以上にコミックの市場は拡大しています。映画からコミック、コミックから映画という流れも、良い相乗効果になっています」とコミック業界の未来は明るいということを強調していた。
「わたしが何年も前に描いたものが、こうしていまでも多くの人に共感してもらえることは嬉しい」とコミコン参加についての感想を語ったリー。続けて「コミックは昔、教育的ではないと親の評判は悪かったのですが、いまは多くの方に支持をされています」と述べると「今後はさまざまな国籍のヒーローを描いていきたい。日本人のキャラクターを描くことも必然だと思います。日本のヒーローを作りましょう」と意欲を見せていた。(磯部正和)