ビートたけしが大河出演!志ん生役の決め手は「神様」つながり
2019年放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で、物語のキーパーソンとなる古今亭志ん生役にビートたけしを抜てきした理由について、制作統括の訓覇圭が「たけしさんは僕の世代的には仕事の神様。落語の神様は神様にやっていただきたいと思った」と説明。また「何かつながっているものがあるというか。そういうつながりが視聴者に伝わればいいなと思った」とコメントした。
オリンピックを題材に、ドラマ「あまちゃん」などの宮藤官九郎がオリジナル脚本で描き出す本作。29日にNHK放送センターで行われた追加キャスト発表会見では、昭和を代表する落語家・古今亭志ん生が「オリンピック」を語るうちに、いつしか自分の人生や、庶民が見た歴史、東京の姿が浮かび上がるようにして物語が展開していくことも明らかに。そして「東京オリムピック噺」でドラマをナビゲートする、志ん生役に選ばれたのがたけし。
たけしは会見に登場すると、伝説の落語家を演じるにあたり「志ん生さんは子ども時代にラジオや寄席で親と観た記憶があります。いまだに全盛時の落語はDVDや音源を持っていて。落語家としては一番尊敬する方なので、この役がきて、うれしくてしょうがなかった」とあいさつ。一方で「ただ、これまでほとんどの自分の仕事にプレッシャーを感じるということはなかったんですが、今回は夜中に落語を練習してしまうくらいでした。とにかく国宝みたいな人なんで。少しでもそんな感じが出れば。あとは(ダメなら)官九郎さんが書いた台本のせいです」と不安を抱えていることも告白する。
また、たけし・宮藤というタッグが実現したことに「なぜ大河に使ってくれたのか意味が分からない」と笑ってみせたたけしは、「宮藤さんの脚本は嫌いじゃないんで。うちの弟子にもファンがたくさんいるんで、そっちに教えてもらうことも多いですが。何本か台本を見たり、打ち合わせをしているうちに、だんだん世界がわかるようになってきたんで。うまくこなせるかわからないですが、非常に楽しみにしています」と続けていた。
たけし演じる志ん生の若き日を演じるのは森山未來。この役柄について「すごいことだなと思いました」という森山は、「僕の役は落語家の卵にもなっていないようなていたらくですが、落語の神様である志ん生さんをたけしさんが演じるというのは、そうなるよな、という感じもあります。ただものまねをするわけにもいかないんでどうしたら……」と戸惑いを隠せない様子。しかしたけしから「まあ、俺になるんだから。外に行って、『ダンカン、バカヤロウ!』と言っておけば大丈夫」とアドバイスを送られ、会場は大笑い。
そんな若き日の志ん生の最初の師匠となるのは、松尾スズキ演じる伝説の落語家・橘家圓蕎。「とにかく志ん生さんの資料はたくさんあるんですが、圓蕎さんの資料はあまりない。ただ師匠なので、それなりに師匠らしい説得力を持たせないといけない。とにかく森山くんには、スタジオに入ったら師匠と呼んでもらいたい。そしてそれはたけしさんにもお願いしたい」と宣言し、会場を沸かせた。
この日の会見では、神木隆之介(志ん生の弟子・五りん役)、川栄李奈(五りんの彼女・知恵役)、橋本愛(浅草の遊女・小梅役)、峯田和伸(浅草の人力車夫・清さん役)らも追加キャストとして発表。さらに4人いる演出の一人として『モテキ』『バクマン。』などで知られる大根仁監督の名前も資料には記されていたが、訓覇プロデューサーは「以前から彼のことは知っていまして。もともと大根さん自身もNHKが好きな方なので、いつか一緒にやれたらいいなということで実現することになりました」とその経緯を述べていた。(取材・文:壬生智裕)
NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」は2019年1月より放送開始