桐谷健太、感極まる…『ビジランテ』が代表作に
映画『ビジランテ』初日舞台あいさつが9日にテアトル新宿で行われ、大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太、篠田麻里子、入江悠監督が出席。桐谷は舞台あいさつ中に「代表作になりました」と何度も感無量といった思いをあらわにした。
本作は『SR サイタマノラッパー』シリーズなどで知られる入江監督が、自身のオリジナル脚本で製作した人間ドラマ。一郎(大森)、二郎(鈴木)、三郎(桐谷)の兄弟が、父親の死をきっかけに再会し、逃れられない運命に翻弄(ほんろう)される姿が描かれる。
冒頭のあいさつで「ほんまに、自分の代表作ができたと感じています」と噛みしめるように口にした桐谷は、その後のトークでも「今、感極まっています。めっちゃ嬉しいんです。代表作になりました。こんなに絶望的にかっこいい作品を撮ってくれた入江監督に感謝です」と晴れやかな笑みでコメント。
見どころとして、大森と鈴木が極寒の川で撮影した体を張ったシーンを挙げると、桐谷は「20年(入江監督の)スタッフをやられている方が、『20年間で一番過酷だった』と言うくらいの撮影でした。朝から翌朝まで撮って、時間を挟んでまた昼から撮るような中で、撮影期間中は三郎としている時間の方が長かったです。(見どころは)マジで全部です」と熱い思いを吐露した。
入江監督といえば『SR サイタマノラッパー』で知られるが、この“代表作”という思いは同じだそうで、「人間的なずるさとかかっこつける所とかを分散して、三兄弟に自分を投影しようと思いました。でも、ご本人たちには撮影前には言っていなくて、どうやってこの方たちにこれを具現化してもらえるのか楽しみたいと思って。代表作になったと思い嬉しいです」と述懐。企画が一度頓挫しかけた事もあったそうで、入江監督は「子供の頃から人前で泣くまいと生きてきたのに、初めて人前で泣きました。スタッフルームで『今のタイミングだと撮れないので一回流します』って。それを今年の頭に撮影できて、完成したのが本当に感無量です」と本作に込めた思いを話した。
また、二郎の妻で夫の出世のためには手段を選ばない悪女を演じた篠田も、撮影前は入江監督に直訴して入念なリハーサルを経て本番に挑んだ経緯を紹介。覚悟を決めて車内のラブシーンにも挑んでおり、篠田が「1月4日のクランクイン初日で、2017年の仕事始めがあのシーンだったんですよ」と驚きを振り返ると、入江監督は「あのシーンが後半にあると気になっちゃうじゃないですか」と先に撮影した理由を説明していた。(取材・文:中村好伸)
映画『ビジランテ』は公開中