古川雄輝が佐々木蔵之介をリスペクトするワケ
三部けいの漫画を連続ドラマ化する「僕だけがいない街」が12月15日よりNetflixで190か国配信スタートとなる古川雄輝。本作で2016年公開の映画『L-エル-』に続いてタッグを組む下山天監督をはじめ複数の作品で信頼関係を築いてきたクリエイターに触れるなかで、最も自身に強い影響を与えた俳優として佐々木蔵之介を挙げ、今日に至るまで大事にしているという佐々木の言葉を明かした。
2016年に土屋太鳳&満島真之介が声優に参加したテレビアニメ(フジテレビ系)、藤原竜也主演の実写映画も製作された人気漫画のドラマ化作品で主演を務める古川。昨年「べっぴんさん」で朝ドラ出演も果たし、今年はテレビドラマ「重要参考人探偵」(テレビ朝日系)に出演。2018年も『風の色』『曇天に笑う』『となりの怪物くん』と新作を控え快進撃を続ける彼は、同じクリエイターの作品に複数回にわたって出演しているのも特徴的だ。
初のテレビドラマ出演となった「アスコーマーチ ~明日香工業高校物語~」(2011・テレビ朝日系)の演出を務めた塚本連平監督とは「夫のカノジョ」(2013・TBS系)「重要参考人探偵」で。ブレイクのきっかけとなった「イタズラなKiss~Love in TOKYO」(2013・フジテレビTWO)の永田琴監督とは映画『我愛●(ニー)in tokyo』(2014)で。『トリハダ-劇場版』(2012)の三木康一郎監督とは「夫のカノジョ」で再タッグを組んでいる。
「僕だけがいない街」の下山監督とはプライベートでも交流があり、親交が深いという古川。「オフの時にもマージャンをうちにいったり仲良くさせていただいているので、そういった交流があると撮影のときにも、より気持ちが乗りますし、『この人のために頑張ろう』と思える。俳優って、作品を最初に目にするのが監督なので、基本的に最初は監督のために頑張っているようなところがあると思います。それに、『イタキス』の永田さんもそうですけど、一回組んだ方とまたご一緒するときには『前作での恩を返したい』という思いがあって。それは監督だけでなくスタッフ、キャストに関しても言えることです」。
「恩を感じている人物」として、古川はかねてから佐々木蔵之介を挙げており、その理由をこう語る。佐々木との出会いは、2011年に放送されたテレビドラマ「僕とスターの99日」(フジテレビ系)の時だった。「まず、芝居の応用力に圧倒されました。台本に書かれていないようなことをたくさんされるんですけど、それが衝撃的で」。
さらに、彼からかけられた言葉を今日に至るまで、芝居において最も重要な決め事として自身に課しているのだという。「何もできなかった僕に、佐々木さんは『あのシーンは難しかったよね。どうやればよかったんだろうね』とわざわざ話しかけに来てくださったんです。お芝居はもちろん、現場での居方も含めて尊敬しています。また、ご本人は覚えていらっしゃらないと思うんですけど、佐々木さんがぽろっとおっしゃった『(芝居に)遠慮しちゃだめだ』という言葉が強く響いて。例えば、大先輩を前にひるんでしまったり、カメラに映るアングルを気にして演技が抑えめになったり、アイデアを思いついたのに本番では実現できなかったり。そうして自分をセーブしてしまうことは、ものすごくマイナスなことで」。
「遠慮しない」ためには自信を持つことが重要とも言う古川。「それが2番目に大切にしていることです。自信を持って臨む芝居とそうでない芝居はかなり変わってくると思っていて。自信がないからこそ、いつも『大丈夫、おまえならやれる。自信を持て』と自分に言い聞かせて演じているようなところがあります」と、クールで落ち着いたパブリックイメージとは裏腹に、常に自身と格闘していることを強調した。(取材・文:編集部 石井百合子)
Netflixオリジナルドラマ「僕だけがいない街」(全12話)は12月15日より配信スタート